最速ワゴン決定戦 BMW 5ツーリング vs アウディRS6アバント 前編

公開 : 2018.01.28 09:10

文字通り足枷となるその重さ

RS4をアウディ史上に燦然と輝く金字塔たらしめたその走りの性能各種を、別のクルマで再現するのはさぞかし大変なことだったと思う。なんたって、クルマがこんなに重たいから。で、やはりというか、RS6の走りの完成度というか達成度はあそこまでは高くない。

そのことは、走り出した瞬間にすぐハッキリする。ダンパーの制御モードをコンフォートにセットすると、乗り心地はせわしない。ただし、こないだ乗ったS6のときよりはマシだけど。

それに、速度とともに乗り心地はどんどんよくなる。ならば、とモードをダイナミックに。さらにはスポーツもトライ。やはりというか、このテのガジェットの常で結果はよくなかった。なので再びコンフォートへ。まだしばらくはクルマに乗り続けないといけないので。
 
今度のRS6にアウディがまたしてもDSGを採用しなかったということがわかったとき、僕はムカついた。BMWがM(ほかでもない新型M3)にいかなる快速アウディよりも先にダブルクラッチ・トランスミッションを付けることになっちゃうというのは、これはなんたる皮肉であるか。インゴルシュタットでこのテのギアボックスが作られるようになってから早5年になるというのに。
 
でも、10km走ったらその不満は消えた。このパワートレインの仕事ぶりは秀逸。6段オートマのアップシフトは、もはやほとんど変速に気がつかないくらいのところまで上手くなっている。

ダウンシフトの途中で入るブリッピングの加減もほとんど問題なし。パドルで手動変速した際はそのギアにホールドされ、たとえリミッターに当たってパンパンいっても自動変速は行われない。

後編につづく

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