英「覆面調査」ビジネス 自動車ディーラー専門も 同行で実態さぐる

公開 : 2018.03.21 11:40

英国の自動車ディーラーには、無愛想で、ぞんざいで、商品知識のないセールスは少なくないようです。ショールームの接客水準を引き上げるために「おとり客」がどういう手を使うのか。手段や、真の目的は、クルマに関わらぬひとにとっても、興味深いでしょう。

もくじ

クルマ屋さんの、いやな思い出
店員だって「悩ましい」?
「覆面調査員」を擁するビジネス
ほんとうに求められていること
番外編 潜入訪問に同行

クルマ屋さんの、いやな思い出

「このクルマがほしいのかいらないのか、はっきりしようじゃないか」―ギャングコメディ映画「アナライズ・ユー」でロバート・デ・ニーロ扮するポール・ヴィッティは、クルマのセールスマン。こんな顔面パンチさながらの決めゼリフをくり出す、悪夢のようなヤツだ。

ただ、買うそぶりだけの無責任な客にこうしてキレるまでは、ヴィッティは相手の目を見て、ユーモアをまじえ、辛抱強く客に接する、けっこういいヤツだった。

しかしセールスというもの、相手がカチンとくるほど礼儀を欠いたり、無視したり、質問にまともに取りあわなかったり、商品知識がなかったり、何よりも客にケンカを売っているのような印象を与えていいわけがない。

この間、わたしは地元のフォードディーラーの店頭にあったフィエスタST-2が目にとまり、ふらりと立ち寄った。ところがクルマに近づくと、セールスマンは目を合わせぬように電子タバコをふかしながら離れていった。

その瞬間、STを試乗したい、あわよくば買ってしまうかもというわたしのときめきはタバコの煙のように空に消えた。そんな気持ちを引きずってショールームに足を踏み入れたら、何ということか、そこにはさっきの彼しかいなかった。

何を聞いても、はしょった答えしか返ってこない。彼が向こうでキャビネットを引っかき回してそのクルマの記録簿を探す間に彼の上司を見つけ、あらかじめ電話で予約をしておけばもっと親身に対応いただけましたかねとたずねた。

上司は仏頂面で「彼は忙しいんだ」と返してきた。どちらにしても五十歩百歩だとわかったところで、しょんぼりして店を後にした。

 

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