【2代目ホンダ・ヴェゼルにRS登場】機械式駐車場に入れるためノイズ大臣が活躍?車高1590→1545mmローダウンの舞台裏!

公開 : 2025.12.23 12:05

2代目ホンダ・ヴェゼルに追加された、『RS』グレードを編集部ヒライが取材しました。2021年4月に登場した2代目、つまり現行モデルは2024年4月にマイチェンを受け、この10月にようやくRSが追加となっています。

ポイントはダイナミクス領域とデザイン領域

2代目ホンダヴェゼルに追加された、新グレード『e:HEV RS』を取材した。2013年12月に登場した初代ヴェゼルは、2016年2月にRSを追加。2021年4月に登場した2代目、つまり現行モデルは2024年4月にマイナーチェンジを受け、この10月にようやくRSが追加となった次第だ。

RSのポイントは、操縦安定性と軽快性を向上させたダイナミクス領域と、スポーティなスタイリングを得たデザイン領域にある。

2代目ホンダ・ヴェゼルに追加された、『RS』グレードを取材。
2代目ホンダ・ヴェゼルに追加された、『RS』グレードを取材。    平井大介

ダイナミクス領域では、電動パワーステアリングを専用セッティングとし、スプリングの高さを同じバネレートのまま15mm短くし、ダンパーの減衰圧を上げた専用ローダウンサスペンションを採用。

デザイン領域では、専用フロントグリルおよびバンパー、ブラックドアミラー、18インチアルミホイール、ダーククロームのサイドステップとリアバンパーモールディング、RSエンブレムを装着し、シャークフィンアンテナをなくすことで、30mm車高を下げた。

つまり15+30で45mm、これまでの1590mmから1545mmに全高が低くなった。その結果、一般的な機械式駐車場に収まる全高1550mmを切ったわけだ。

また、室内はブラックとレッドを組み合わせてスポーティさを演出。オーソドックスな手法ではあるが、RSの車名から連想する印象は内外装で感じることができる。

パワートレインは1.5L直列4気筒+2モーターのハイブリッドで、4WD初採用となるのも今回のトピック。ちなみに取材車のボディカラーはスレートグレーパールで、価格は4WDが396万8800円、FFが374万8800円となる。

普段使いするSUVとしてはいいパッケージ

2代目ヴェゼルは初代と比べて随分とアーバンな雰囲気になった印象で、2021年の新車取材時に、ホンダ・デザインが洗練されたと感じたのをよく覚えている。街中メインで普段使いするSUVとしてはいいパッケージであり、それをデザインでうまく表現していると。

それに対し、ブラックとレッドを多用したスポーティグレードで車名がRSとはベタだなぁと思いつつ、そういった組み合わせのホットハッチに憧れてきた世代なので、正直、嫌いじゃない。

取材車のボディカラーはスレートグレーパールで、価格は4WDが396万8800円、FFが374万8800円。
取材車のボディカラーはスレートグレーパールで、価格は4WDが396万8800円、FFが374万8800円。    平井大介

足まわりは少し硬めの印象だ。今回は街中オンリーの試乗なのでスポーティドライブを試せておらず、ヴェゼル全車が装備するアジャイルハンドリングアシストの効果も感じる場面はなかった。

しかし、少しアクセルを踏み込んでみるとCVTのいわゆるラバーバンドフィールがあり、今回の試乗ルートに限って言えば、RSという名前がイメージさせるほどはスポーティなクルマではないように思えた。

そんなことを考えながらタワーマンションが並ぶ地域を通りかかった際に、一般ユーザーのヴェゼルとすれ違った。母親がお子さんを乗せているようで、時間的に習い事の送迎だろうか。それを見た時に、首都圏を中心としたベッドタウンでヴェゼルに乗るファミリーの姿が、はっきりと脳裏に浮かんだ。

ちょうどいいパッケージのSUVであるヴェゼルは、いかにもそういった地域で売れそうだ。しかもマンションの機械式駐車場に入れる必要があり、かつてはスポーツカーに乗っていたクルマ好きなら、ヴェゼルRSはかなり魅力的な選択肢となるだろう。

事実、東名阪福を中心とした首都圏地域でRS比率は約20%と、他地域より高くなっているそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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