試乗 ジャガーXE SVプロジェクト8 300台限定、600psのサーキットスペシャル

公開 : 2018.06.20 10:10  更新 : 2018.06.20 10:32


懐かしさを覚えるスーバーチャージャー

4速を使う高速コーナーでは、まるでクルマの下にボールが入り込んだかのように、前後輪ともに同じタイミングで路面をゆっくりとスライドするのを感じ取れる。古いレーシングカーのように、斜め前方へゆっくりと滑る4輪ドリフトのような仕草を見せるのだ。この体験は、とてもセンセーショナルなもの。

コーナーの出口では、強いトラクションによるパワー・オーバーステアの発生もない。敢えてクルマを不安定な状態に持ち込んで、スロットルペダルを踏み込めば、ドリフト状態にすることも可能ではある。ただ、トラックモードであってもスライド自体は穏やかで、リアタイヤのトラクションを復活させることも難しくない。

プロジェクト8の得意分野は、力強い前方への推進力を衰えさせることなく、コーナーを抜けていくことにある。600psと71.2kg-mの怪力だから、1745kgの限定スペシャルボディを、またたく間に加速させ、次のコーナーに向けて突き進んでいく。

そしてエンジンも、その怪力に見合ったキャラクターを持っている。ここ数年、1500rpmくらいから発生する最大トルクという、ツインターボ・エンジンに強制的に慣れさせられてしまった感がある。一方で、少し回りにくい印象のあるスーパーチャージドエンジンを積んだ、極めて速いクルマを運転するという体験は、どこか懐かしさを覚える味わいがあるのだ。こういう選択肢も、ありだと思う。

最後に、8速ATはライバルと比較しても変速がとりわけ高速というわけでもないし、レスポンスで優れているわけでもない。でも、充分いい仕事をしてくれている。また、プロジェクト8は左ハンドルのみの設定となる。

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