メルセデス・ベンツ、物理ボタン廃止は「やり過ぎ」 今がピーク? タッチスクリーンだけに頼らず操作性向上へ

公開 : 2026.08.10 17:25

タッチスクリーンの大型化が進む中、メルセデス・ベンツのオラ・ケレニウスCEOは物理ボタンの削減について「業界は行き過ぎてしまったかもしれない」と語りました。スクリーンの採用は続くものの、ボタンは増える見込みです。

業界は先走りし過ぎた?

メルセデス・ベンツのオラ・ケレニウスCEOは、今後も車載タッチスクリーンの開発を続けるものの、自動車業界は「ボタン削減」のピークに達した可能性があるとの考えを示した。

多くの競合他社と同様、メルセデス・ベンツもここ数年で物理ボタンを減らし、大型タッチスクリーンの導入に注力してきた。3画面構成の「MBUXハイパースクリーン」は、車種によっては幅が最大1410mmに達し、量産車として世界最大級のディスプレイとなっている。

メルセデス・ベンツは「ハイパースクリーン」の導入など大画面化に力を入れてきた。
メルセデス・ベンツは「ハイパースクリーン」の導入など大画面化に力を入れてきた。

しかし、物理ボタンではなく、ディスプレイに割り当てられる操作が増えていることについては不満の声も上がっている。ケレニウス氏はこうした懸念を認めつつも、次のように述べた。

「UI(ユーザーインターフェース)に数え切れないほどの時間を費やしています。わたしは毎年、エンジニアたちとこの件について何時間も議論しており、5歳の子供でもメルセデスの取締役でも使えるほど簡単でなければならないと冗談交じりに話し合っています。そこがハードルですが、一度慣れれば、自然と使いこなせるようになるものです」

タッチスクリーンのピークはまだこれから

ケレニウス氏はまた、音声認識機能(ボイスコントロール)の改善にも言及したが、デジタル制御に関しては「業界全体として少し行き過ぎてしまったかもしれない」と認めた。

同氏は、メルセデス・ベンツの現行車種ではステアリングホイールに物理ボタンを搭載していることを指摘し、「時には先を行きすぎて、技術のための技術開発を進め、顧客のことを少し忘れてしまうことがあります。ですから、これからは最も理にかなったボタンが再び導入されることになるでしょう」と述べた。

それはタッチスクリーンの「ピーク」に達したということなのかと記者に問われると、ケレニウス氏は「スクリーンのピークに達したかどうかは分かりませんが、ボタンは減少傾向にあります」と答えた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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