初代似のフォルムで『アウディA2』復活 A1やQ2の間接的後継EVは驚くほどの好電費 20年前のオリジナル以上の成功が見える?

公開 : 2026.08.10 18:05

アウディA2がEVで復活。オリジナルへ似たフォルムは、空力性能を求めた結果です。驚くほどの好電費でも、スポーツサスの乗り心地は硬め。初代以上の成功が見える? UK編集部が試作車へ試乗。

空力性能に優れたEVを求めた結果

バッテリーEVの訴求力を高めるうえで、過去の名車の復活が相次いでいる。それでも、アウディA2の登場は、意外なものといえるだろう。

オリジナルのA2は、アルミ製スペースフレームを採用し、空力の磨かれたボディが与えられ、優れた居住性と燃費を叶えていた。技術的な水準は高く、売れたモデルとはいえなかったが、今でも高く評価するマニアは少なくない。

アウディA2 e-トロン 58kWh(プロトタイプ)
アウディA2 e-トロン 58kWh(プロトタイプ)

アウディはそもそも、回帰的にA2を作ろうと考えたわけではない。Q4 e-トロンより小柄で、空力性能に優れたEVを求めた結果生まれたのだ。フォルムを追求していくと、必然的に1999年のオリジナルへ見た目は近づくらしい。

平面的なフロントから、流れるようにルーフが伸びる。実用性を高めるため、リアは切り落としたように垂直。後方視界を確保するべく、リアガラスは上下に分かれる。

いうなればフォルクスワーゲンID.3のアウディ版

プラットフォームは、フォルクスワーゲン・グループのMEBがベース。最近生産が終了した、アウディA1やQ2の間接的な後継EVという役目も負うため、既存技術の利用で価格を抑える目的があったはず。

駆動用バッテリーは、充電性能に優れるリン酸鉄リチウム(LFP)の58.0kWhで、モーターはAPP350型と呼ばれる新ユニット。低粘度オイルを採用し、回転抵抗を抑えている。79kWhのニッケル・マンガン・コバルト(NMC)ユニットも、計画にはあるはず。

アウディA2 e-トロン 58kWh(プロトタイプ)
アウディA2 e-トロン 58kWh(プロトタイプ)

フォルクスワーゲンID.3の、アウディ版と考えられなくもない。実際、全長は約4.3mと予想され、それへ近い。目下の競合は、ボルボEX30ミニ・カントリーマンになる。

カモフラージュされた試乗車には、スポーツ・サスペンションが組まれていた。車高を低くすることで空気抵抗を抑え、電費向上を狙えるからだ。

インテリアの雰囲気はSUVのQ3へ近い?

インテリアは、偽装カバーの隙間から覗いた限り、全体的にブラック基調で最近のアウディへ近い雰囲気。メーター用モニターやステアリングホイール、ステアリングコラムなどは、SUVのQ3へ近いものに見えた。

操作感はソリッドで、製造品質は高そう。物理スイッチは殆どなく、タッチモニターはブラックのフレームが太い。ダッシュボード上部は、肌触りの良いニット調ファブリックで覆われる。往年のアウディのような、高級感はないかもしれないが。

アウディA2 e-トロン 58kWh(プロトタイプ)
アウディA2 e-トロン 58kWh(プロトタイプ)

クロス張りのシートは、調整が手動式ながら座り心地に優れる。目線は高めで、運転姿勢も理想的に思えた。後席側の空間は、特に上下方向に余裕がある。荷室容量は不明だが、クプラ・ブランドの兄弟モデルを鑑みると、385Lは得るはず。

ドアハンドルは操作しにくいボタン式で、外側も電子制御で動かないフィン状。細かい部分だが、もっとベーシックなデザインでも良かっただろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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