【2019年 最高のハードコア・スポーツカー10選】サーキットから公道まで

公開 : 2019.12.30 05:50

5位 マクラーレン675LT

911 GT2 RSと同様、直接の後継車は登場していないことから今回もランクインさせていただいた。この675「ロングテール」はマクラーレンにとって象徴的な1台だ。

ハイパーカーのP1にも似たルックスで、搭載される3.8LのV8ターボはベースとなった650Sに25ps上乗せした675psを発生する。さらにボディワークの追加によりダウンフォースは40%増大し、車重は100kgの減量に成功している。さらにサスペンションを引き締め、ステアリングをクイックにすることで運動性能を高めた。

マクラーレン675LT
マクラーレン675LT

それだけではなく、トルク・ベクタリング・システムやその他の電子制御の改良が加えられている。これによりサーキットでの走りはもとより、グリップレベルやハンドリング、それにアジャスタビリティが向上し、まさしくミドエンジン・ドライバーズカーと言えるクルマになった。

サーキットでは凄まじく速いが、それだけでなくマクラーレンのロードカーとして初めて真に楽しいと思えるクルマではないか。

4位 ポルシェ911 GT2 RS

世界で最も愛されるスポーツカーの、狂気に満ちた最上位モデルだ。700psの最高出力と340km/hの最高速度は911史上最強だ。サーキットに特化したGT3 RSに、911ターボSをも上回る暴力的なトルクを与えている。しかもこれを後輪のみで駆動するのだから、いくらポルシェのシャシーをもってしても操るのは大変だ。

しかし、このクルマのオーナーにとって、そんな細かいことは取るに足らないことだ。GT2 RSは普段はその実力を奥に秘め、必要な時にのみ発揮することができるのだ。

ポルシェ911 GT2 RS
ポルシェ911 GT2 RS

21インチのホイールに取りつけられた325幅のタイヤがそのパワーを地面へと伝達する。そして標準装備されるカーボン・セラミックのブレーキや、GT3 RSよりもさらに引き締められたサスペンションがそれを支えるのだ。

それでいて普段の振る舞いは今までのどの911 GT2 RSよりも落ち着いている。踏み込んだらどうなるかって?まさに弾丸のようだ。ターボラグが無いわけではないが、それでもレスポンシブかつリニアで、ハイパーカー顔負けの速さを見せてくれる。サーキットでもおおむね良好だが、GT3のように神経に直結したかのような鋭さではない。

3位 フェラーリ488ピスタ

720ps、78.5kg-m、1359kg、0-100km/h加速2.85秒、そして車両本体価格25万2765ポンド(3600万円)。これらの数字を見ただけで、フェラーリの本気度が伺える。

458スペチアーレの後継車であるこのクルマは、われわれが2018年に行ったベスト・ドライバーズ・カーの審査において、アングルシー・コースタル・サーキットで最速タイムを記録した。この1分11秒4という記録は、マクラーレン600LTを1.7秒上回る。

フェラーリ488ピスタ
フェラーリ488ピスタ

このクルマの特徴は何と言ってもレスポンスの鋭さだ。ステアリングを切れば間髪を入れずに鼻先が動くのがわかり、ステアリングコラムのパドルを引けば電光石火の速さでシフトチェンジが行われる。さらにアクセルを床まで踏み込む度胸さえあれば、凄まじい速さで周囲の景色が流れ去るだろう。サーキットでの速さはもちろんだが、それだけではないバランスのとれたクルマである。

しかし公道での使用も考えれば、マクラーレン600LTなどにはかなわない。とは言え、その差はわずかだ。

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