ロードテスト フォード・プーマ ★★★★★★★★★☆

公開 : 2020.04.04 08:50

走り ★★★★★★★★☆☆

パワートレインは3気筒ターボのダウンサイジングユニットだが、エンジンをストップしてのコースター走行や、リーン燃焼時の気筒休止も可能。マイルドハイブリッドのモーターは15psと5.1kg-mを発生し、経済性やパフォーマンス、ドライバビリティを向上させる。すべてを実現するために必要な技術面の複雑さは、ほぼ99%ほどの間、うまく感じさせずにいる。

このユニットは低回転域から、すばらしいレスポンスとうれしいくらいにわかりやすい活発さをもってプーマを引っ張る。それ以上に重要なのは、繰り返しになるが、そのオペレーションの複雑さをほとんど表に出さないことだ。

4速での48-113km/hは、ジュークの1.0Lターボを7秒ほど凌ぐ。プーマのハイブリッドシステムの実力を証明するデータだ。
4速での48-113km/hは、ジュークの1.0Lターボを7秒ほど凌ぐ。プーマのハイブリッドシステムの実力を証明するデータだ。    MAX EDLESTON

もし、それに気付くとすれば、減速時にたまたまギアを抜くのが早すぎた際の一貫しないブレーキレスポンス、もしくはスロットルペダルを急に踏み込んだ時の唐突な動き出しによってだろう。とはいえ、どちらも些細なものだ。あらかじめ気にかけていなければ見過ごしてしまうかもしれない。

マイルドハイブリッドシステムは、低回転域のトルクを増幅させ、シフトチェンジの手間を軽減してくれる。そのことを考えれば、ドライバビリティにもたらす影響は、マイネス面よりプラス面のほうがはるかに大きいといえる。

ウエット路面でのテストでは、0-97km/h加速は往復計測の平均値が10秒ジャスト。ずば抜けてはいないが、それなりにストロングだ。ところが4速での48-113km/hとなると、昨年後半にテストしたジュークの1.0Lターボを7秒ほど凌ぐ。およそ40%速いと言い換えてもいい。プーマのハイブリッドシステムの実力を証明するデータだ。

高めのギアで低回転から引っ張ると、電気モーターがトルクを補っているのが実によくわかる。また、4000rpmを超えた途端に、それがオフになるのも感じられるはずだ。

このクルマは、さまざまな状況下で元気なパフォーマンスと、ショートストロークで気持ちよく、明確なシフトのアクションを備えている。ブレーキはスムースで、制動力の強さと安定感は要求通り。慣れてしまえば、ブレーキペダルの踏みはじめにどれくらい力を入れればよいかの判断は簡単だ。

ただし、減速の前に低めのギアを選んでおきたい。減速中のシフトダウンは、できることなら避けたほうが無難である。というのも、ハイブリッドシステムのエネルギー回生を多少ながら妨げ、ブレーキング初期のレスポンスをいささか損ねてしまう原因となるからだ。

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