【パンデミック対応を優先】英国クリーンエアゾーン施行延期 2021年1月まで

公開 : 2020.04.16 16:50

大気環境改善のため、英国で計画されている、クリーンエアゾーン(CAZ)の施行が、2021年まで延期されました。新型コロナウイルスの感染拡大による、ロジスティック業界への負担を考慮しての決定とのことです。

クリーンエアゾーン実施、2021年まで延期

text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)

イギリスで年内の導入が計画されていたクリーンエアゾーン (CAZ) の施行が、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2021年まで延期された。

今回の延期は、環境・食糧・農村地域省(Defra)の次官大臣レベッカ・パウにより、貨物運送協会(FTA)の最高経営責任者であるデビッド・ウェルズ宛てに、送付された書簡で確認されている。

ロンドン市内の道路の様子
ロンドン市内の道路の様子

パウは、従業員数の減少と、社会的距離ルールを守りながら、全国に商品を届けるというプレッシャーを抱える業界にとって、今は「非常に困難な時期」であるとし、計画の実施は少なくとも2021年1月まで延期すると述べている。

ブリストル、バーミンガム、リーズなどの都市を対象に、導入が計画されているCAZは、既存のロンドン超低排出ゾーン規制と同様に、特定の期間に市内中心部に入る有害ガスを排出するクルマの数を制限するように設定されている。

ブリストルでは、毎日午前7時から午後3時の間、個人所有のディーゼルモデルの通行を禁止し、排ガスを出す商用車に対し通行料を請求するという内容の、提案が出されている。

バーミンガムとリーズの市議会は、先週、Defraに書面を送り、計画実施の延期を求めていた。

FTAの都市政策責任者であるナタリー・チャップマンは「FTAとそのメンバーは、英国政府の大気環境改善の計画を全面的に支持しています」

「ロジスティクス企業は、このパンデミックの最中にあって、日常必需品を、国民、スーパーマーケット、小売業者などに確実に届けることに全力を注いでいます」

「CAZ施行のために、企業が計画、実施しなければならない多くの事項に取り組むのは、現実的ではないでしょう」と述べている。

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