【最高の小型ハッチバックを探せ】スーパーミニ・メガテスト 勝利のカギは全方位の魅力 6位〜4位

公開 : 2020.05.16 20:50  更新 : 2021.03.19 11:28

5位:セアト・イビーザ 1.0 TSI 115 FRスポーツ

セアト・イビーザのスペック

パフォーマンス重視というやり方はコンパクトハッチにとっては決してメリットとはならない。

インテリアは広々として高い品質感も備えているが、驚くほど荒々しく硬い乗り心地のこのクルマは、そのステアリングを握ってもあまり魅力的に感じられない。

イビーザのFRスポーツであれば見事なグリップと高速安定性を感じることが出来る。
イビーザのFRスポーツであれば見事なグリップと高速安定性を感じることが出来る。

価格:1万9860ポンド(266万8000円)
標準個人リース契約月額:271ポンド(3万6400円)(デポジット:2000ポンド/26万9000円、走行距離:3万9000km/3年間)
販売:販売中
エンジン:999cc直列3気筒ターボ
パワー:115ps/5000-5500rpm
トルク:20.5kg-m/2000-3500rpm
ギアボックス:6速マニュアル
乾燥重量:1074kg
0-100km/h加速:9.3秒
最高速:195km/h
燃費性能:16.1-17.2km/L(WLTP基準)
テスト時燃費:15.1km/L
WLTP基準CO2排出量:未公表
標準後席レッグルーム:690mm
後席ヘッドルーム:930mm
トランク全長/全幅:630mm、1020mm

大きなショック

コルサ同様、セアト・イビーザも今回のテストではその車両スペックが災いすることとなった1台だ。

2018年に行った前回のスーパーミニを一堂に会したメガテストでイビーザが総合優勝を飾ったことを思えば、今回最終決戦にも進めなかったことは大きなショックであり、個人的にも残念な結果だった。

それでも、こうしたテストでは目の前にあるクルマのステリングを握るしかなく、今回のイビーザは、18インチホイールと車高を下げるとともに締め上げたサスペンションが標準のFRスポーツだった。

今回テストの舞台となったレスターシャーのA級路とB級路では、このホイールサイズとサスペンションセッティングがイビーザの静粛性と乗り心地に影響を与えていたことが明らかな一方、残念ながら、このクルマのドライバーアピールを他のライバルほどのレベルに引き上げることには失敗していた。

その結果、今回イビーザは中団に埋もれることとなったが、より相応しいスペックを選んでいれば、より高い評価を得ることも可能だっただろう。

選ぶならスポーティーなモデル以外

FRスポーツのスポーティーさが際立つインテリアを、より軽快な印象のマテリアルへと変更するだけで、キャビンの雰囲気を引き上げるとともに、組立品質や質感の高さがより明確に感じられるようになるに違いない。

確かに見事なキャビンであり、さらにテスト車両には操作性に優れたデジタルインストゥルメントと、洗練された動きの滑らかなインフォテインメントシステムまで搭載されており、このクラスにこれ以上のキャビンテクノロジーを望む必要などないだろう。

インストゥルメントは見やすく、インフォテインメントシステムは滑らかな動きを見せる。
インストゥルメントは見やすく、インフォテインメントシステムは滑らかな動きを見せる。

さらに、このクルマのステアリングからはまるで「大型モデル」のような印象を受けるが、エンジンの力強いトルクと高回転域での活気に加え、滑らかなシフト操作が可能な6速マニュアルギアボックスとグリップレベルの高さ、そして高速域でのハンドリングの安定性にも驚かされるに違いない。

それでも、18インチホールを履いたFRスポーツでは荒れた乗り心地とともに、例えわずかでも路面状況が悪化すると、ボディの動きが神経質になり、非常に硬く落ち着きを無くす様子がアリアリと伝わって来る

だが、こうした点を除けば、魅力的なスタイリングに実用性を備えた非常に完成度の高いモデルとして、そのより熟成されたダイナミクス性能に相応しい1台であり、以前テストした他のスペックからも、本来イビーザとはそうしたモデルだということが分かっている。

つまり、毎日さまざまな用途に使えるモデルとしてセアトの購入を考えているのであれば、イビーザのラインナップ中もっともスポーティーなモデルは避けるのが賢明だということだ。

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