【小さなロールス・ロイスが目標】トライアンフがベースのパンサー・リオ 前編

公開 : 2020.05.03 07:20  更新 : 2020.12.08 11:05

新車のドロマイトを分解し作り変え

工場があったのはロンドン郊外のバイフリート。約100名という力強い人員体制があった。塗装から内装トリム、ボディパネルの成形やガラスの加工まで、分業化された職人による集団だ。

創業者のジャンケルは、フルサイズの形状模型を細いワイヤーで制作。ドロマイトより114mm長い全長を設定した。その多くはリアシート周りに充てられ、ルーフラインは若干低められた。

パンサー・リオ(1975年−1976年)
パンサー・リオ(1975年−1976年)

パンサーは、できたてホヤホヤのドロマイトをトライアンフから購入。路上走行可能なクルマのスチール製ボディパネルを、ルーフも含めて取り外した。

内側の構造パネル、バルクヘッドが露出するまで裸にされたドロマイトは、手作業で整形されたアルミニウム・パネルで置き換えられた。部分的には、マシンプレスも用いられていたようだ。

ピッタリと揃ったボディパネルと、深い艶を持つ塗装は、ジャガーベースのパンサーと同じ高水準。トップコートは手で磨き込まれていたという。

それでも、販売が勢いに乗ることはなかった。より多くの生産台数を求めたジャンケルの意識は、ボクソール(オペル)をベースとしたリマへと移っていった。

当初、リオは英国の高級車ディーラー、HRオーウェンからの100台の注文を受けたが、最終的に契約は不成立。クルマが上昇気流を掴むことはなかった。

この続きは後編にて。

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