【コロナの影響を受けて】マクラーレン、本社売却を決定 資金調達が目的

公開 : 2020.09.14 11:50

マクラーレンが英ウォキング本社を売却することが明らかになりました。新型コロナウイルスによる業績不振を受け、雇用削減に続く収益改善の一環として2億ポンド(約270億円)でセール&リースバックする計画です。

新型コロナウイルスによる業績不振

text:Will Trinkwon(ウィル・トリンクウォン)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

マクラーレンは、新型コロナウイルスの影響に対して収支を改善するために、ウォキング本社を売却することにした。

世界で最も象徴的なモータースポーツの本部の1つであるこの物件は、2004年に建設されて以来マクラーレンが所有してきた。しかし現在、不動産会社コリアーズに2億ポンドでのセール&リースバックのマーケティングを開始するよう指示しているという。

マクラーレンP1
マクラーレンP1

ウォキングは3つの建物で構成されている。

スターリング賞(建築の賞)の候補に挙がっているマクラーレン・テクノロジーセンター、主に市販車を製造するために使用されるマクラーレン・プロダクションセンター、そしてマクラーレン・ソート・リーダーシップ・センター。

これら3つの建物はすべて、セール&リースバックの一環として提案されている。

買い手が見つかれば、マクラーレンはこの一等地の所有権を失うことになる。

マクラーレンの広報担当者はAUTOCARに対し、物件の価格は明かさなかったものの、「2億ポンド(276億円)を超える」オファーを期待していると語った。マクラーレンは今年度末までに売却されると予想している。

「グローバル本社の売却とリースバックの可能性、および債務再編と株式調達についてアドバイスをしてくれる銀行の任命は、今年初めに発表した包括的なリファイナンス戦略の一環です」

「夏の間に実施した短期的な対策に加え、これらの取り組みによってバランスシートを強化し、マクラーレン・グループが長期的な成長と投資のための持続可能なプラットフォームを確保することになるでしょう」

雇用削減に続く本社の売却

今回の売却は、収益に深刻な影響を与えた新型コロナウイルスに対応してキャッシュフローを改善するための試みだ。

5月には、アプライド、オートモーティブ、レーシングの各部門で、従業員の4分の1以上にあたる1200人の雇用を削減。また、クラシックカー・コレクションとウォキング本社に対して最大2億7500万ポンド(380億円)の融資を求め、バーレーン国立銀行から1億5000万ポンド(207億円)を調達している。

マクラーレン・セナ
マクラーレン・セナ

マクラーレン・グループのポール・ウォルシュ会長は、次のように語っている。

「今は当社、特に社員にとって厳しい時期であることは間違いありませんが、成長を取り戻すための明確な道筋をつけていく計画です」

「マクラーレン・アプライドはすでに、実績のある高成長の収益源を戦略的に優先することに再び焦点を当てています」

マクラーレンはトラブルの原因として、モータースポーツイベントの中止、製造中止、世界的な自動車販売の不足、テクノロジーソリューションへの需要の減少を挙げているが、これらはすべて新型コロナウイルスに起因するものだという。

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