【個性強め】もう1つのロールス・ロイス 「ブラック・バッジ」シリーズの魅力 カリナン/レイス/ドーン

公開 : 2020.11.20 21:35  更新 : 2021.10.11 09:37

その車内に入ると?

細部のトリムでは、ダーク・クローム仕上げのエア・インレット、トランクリッド・フィニッシャー、ツイン・エグゾースト・パイプが、シルエットに鋭さを加えている。

また、新デザインのブラック・バッジ・カリナン専用品となる22インチ鍛造アロイ・ホイールが足許を引き締め、ロールス・ロイスが今回初めて採用したカラード・ブレーキ・キャリパーが目を惹く。

ブラック・バッジ・カリナンの前席内装
ブラック・バッジ・カリナンの前席内装    上野和秀

インテリアではオレンジのアクセントを配したインストゥルメントパネルと、格子模様のパネルが特別感を強調。

ダッシュボードには、赤い指針と「アンフィーニ」のシンボルを彫り込んだブラックのフレームを持つブラック・バッジ専用の時計が、オーナーのプライドを刺激する。

パワーユニットはブラック・バッジにふさわしい走りを提供するため、排気量はそのままに最高出力を29psパワーアップして600psを発揮。

また最大トルクも5.1kg-m増強した91.8kg-mに向上された。

可変エグゾースト・システムを切り替えれば、深みと威厳のある「バッソ・プロフンド」(男声最低音部)を思わせるサウンドを奏で、ブラック・バッジ・カリナンの存在を主張する。

ブラック・バッジ・カリナンの車両本体価格は、特別装備やオプションにより変わるが 4635万円からとなる。

ブラック・バッジ・レイス

今回の展示で、最も注目を集めていたのがレイスだ。

イメージカラーが、漆黒のブラック・バッジにあって、チャレンジングともいえる明るいブルーのエクステリアカラーを備えていたからだ。

ブラック・バッジ・レイス
ブラック・バッジ・レイス    上野和秀

ちなみにこのブルーの正式な名は、ガリレオ・ブルーとなる。

エクステリアではスピリット・オブ・エクスタシーは、高光沢のダーク・クロームで鋳造され、今回初めて台座プレートもダーク仕上げとされ存在感を放つ。

このほかフロントグリル、サイド、リアに取り付けられる「ダブルR」バッジは、配色を反対にしている。文字をシルバー、地をブラックにするのはブラック・バッジのお約束で、レイスでも同様に仕上げられる。

インテリアのこだわり

最大のポイントといえるのがブラック・バッジのために開発されたカーボン・ファイバー・コンポジット・リムを備える21インチのホイール。

そのデザインは1960年代のイタリア製スーパーカーから着想を得たという。

ブラック・バッジ・レイスの内装
ブラック・バッジ・レイスの内装    上野和秀

インテリアに目を移すとキャビンのセンターピースには、太さがわずか0.014mmのアルミニウム合金製糸の織物とカーボン・ファイバーからなるコンポジット材が用いられている。

この素材はステルス機の機体表面にも使用される航空宇宙技術グレードだ。

ダッシュボードのブラック・バッジ専用クロックは、指針の先端がオレンジ色とされ、インテリアにアクセントを与えている。

もともとパワフルなレイスだけに、ブラック・バッジ化に際してパワートレインの変更は行われていない。

車両本体価格は、4470万円からとなる。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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