【国産ライバルが熱視線?】プラグインハイブリッド日本初導入!価格だけじゃない『BYDシーライオン6』の気になる実力

公開 : 2025.12.24 11:25

これまでEVのみを導入してきたBYDが、初のプラグインハイブリッド『シーライオン6』を日本導入しました。11月末時点で先行予約は300台以上という、順調な滑り出しだそうです。篠原政明が試乗します。

日本導入第5弾はプラグインハイブリッド

BYDはこれまで、『ATTO3』(コンパクトSUV)、『ドルフィン』(コンパクトハッチバック)、『シール』(スポーツセダン)、そして『シーライオン7』(ミドルサイズSUV)と、バッテリーEVのみを日本に導入してきた。しかし第5弾は初のプラグインハイブリッド車、『シーライオン6』となった。

既にジャパンモビリティショー2025で一般公開され、11月1日から先行予約が開始されたが、11月末時点で300台以上の受注があるという。

BYDが初めて日本導入するプラグインハイブリッド車、『シーライオン6』。
BYDが初めて日本導入するプラグインハイブリッド車、『シーライオン6』。    平井大介

12月1日の発表会では、本国の技術者によるプレゼンテーションや識者のディスカッションなどが行われ、多くのギャラリーを集めた。その翌日から、メディアに向けた試乗会が開催された。

『シーライオン6』(以下、6)という車名を聞いて、発表会までは『シーライオン7』(以下、7)のプラグインハイブリッド版かと思っていたのだが、実は全くの別モノ。車名こそ同じシーライオンだが、サイズは全高こそ少し高いもの、6のほうがひとまわり小さい。スタイリングも、7はいわゆるクーペSUV的なシルエットだが、6はコンベンショナルなSUVらしいシルエットだ。

『オーシャンXフェイス』と呼ばれるフロントデザインは7とも似ているが、エンジン車ゆえグリルも備わる顔つきは、SUVらしい力強いもの。最近流行の一文字タイプのテールランプデザインも、7とは少し違う。ブラックホイールは日本専用のアイテムだ。

シリーズとパラレルを併用する独自のハイブリッドシステム

インテリアのデザインも、7とは微妙に違う。メータークラスターにフードが付き、ステアリングホイールは4本スポークに。そして、これまでBYD車の特徴のひとつだったセンターダッシュのディスプレイは回転式ではなくなった。実際、15.6インチもあるから横位置のままでも使い勝手に不満はないのだが。

今回のウリであるパワートレインは、BYD独自のDM(デュアルモード)ハイブリッドを進化させた『DM-i』を採用。1.5Lの高効率エンジン、専用ブレードバッテリー、そして高効率なエレクトリックハイブリッドシステム(EHS)を組み合わせたシステムだ。

BYD独自のDM(デュアルモード)ハイブリッドを進化させた『DM-i』を採用。
BYD独自のDM(デュアルモード)ハイブリッドを進化させた『DM-i』を採用。    平井大介

市街地では8割以上モーターで走行し、高速道路でもエンジンで発電しながらモーターで駆動するシリーズモードで3割近く、エンジンとモーターを併用するパラレルモードで7割近く走る(残りはモーター走行)という、電気走行が主体のハイブリッドシステムだ。

乗り出してまず感じたのは、電気自動車並みの静かさ。発進時はモーターで動き出しているせいもあるのだが、その後エンジンがかかったのには気づきにくい。その静かさのまま、ピュアEVの6ほどではないものの十分以上に加速していく。

センターダッシュのモニターにエネルギーフローを表示させると、エンジンのオンオフや、エンジンとモーターのどちらで駆動しているかが分かるが、これを見ないかぎり駆動の変化はほとんどわからない。この静かさは、今までのプラグインハイブリッド車ではなかったように思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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