ルノーCEO、小型オフロード車発売に前向き 四輪駆動モデル『4サヴァン4×4』で訴求力高める

公開 : 2025.12.24 07:25

ルノーは小型EV『4』の四輪駆動バージョンとなる『サヴァン4×4』の量産化に前向きな姿勢を示しています。電動クロスオーバーの魅力を高める派生モデルとして、今後数週間以内に市場投入の決断が下される見込みです。

電動クロスオーバーに四輪駆動バージョン登場?

ルノーが5月に公開した小型オフロード車のコンセプト『4サヴァン4×4(4 Savane 4×4)』の量産化について、今後数週間以内に決定が下される見込みだ。

ルノーブランドのファブリス・カンボリーヴCEOは、4サヴァン4×4の量産化を「素晴らしいアクセント」として「推進する」と述べた。

ルノー4サヴァン4x4(プロトタイプ)
ルノー4サヴァン4×4(プロトタイプ)    AUTOCAR

スペイン・バルセロナで開催された欧州カー・オブ・ザ・イヤー2026のイベントでカンボリーヴ氏は、四輪駆動を好む北欧諸国において訴求力向上につながるとの期待感を示した。

標準の『4』は前輪駆動EVだが、4サヴァン4×4ではリアに電気モーターを追加して四輪駆動としている。

カンボリーヴ氏によれば、これまで決定が遅れたのは戦略的な優先順位付けが原因だったという。

「レトロは必須ではない」

4はルノーの歴史的名車に着想を得たレトロなEVシリーズの一角をなしている。ハッチバックの『5』はフランスを中心に人気を集めており、まもなくAセグメント車の新型『トゥインゴ』も投入予定だ。

ただし、カンボリーヴ氏は「レトロは必須ではない」と強調。上位セグメントの次世代モデルはすべて先進的で、過去を模倣しないものになるとした。

ルノー4サヴァン4x4(プロトタイプ)
ルノー4サヴァン4×4(プロトタイプ)    AUTOCAR

「このレトロという手法は、パッケージングやサイズが適している場合に非常に有効です。ルノー5の場合、実用性を備えつつ感情に訴えかける能力も持ち、(EVへの)移行を躊躇する人々を納得させる力があります。しかし、すべてレトロにするというルールはありません。お客様にとって価値がある場合に限りルールとなりますが、ルノーはレトロを原則として重視することはありません。ルノー車は、過去とはまったく異なるものになるでしょう」

カンボリーヴ氏はまた、ルノーの全体的な指針は「ジョワ・ド・ヴィーヴ」(フランス語で「生きる喜び」の意)であり、比較的近年の小型モデル群だけでなく「125年にわたる価値観」を基盤としていると述べた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    役職:編集者
    自動車業界で10年以上の経験を持つ。欧州COTYの審査員でもある。AUTOCARでは2009年以来、さまざまな役職を歴任。2017年より現職の編集者を務め、印刷版、オンライン版、SNS、動画、ポッドキャストなど、全コンテンツを統括している。業界の経営幹部たちには定期的にインタビューを行い、彼らのストーリーを伝えるとともに、その責任を問うている。これまで運転した中で最高のクルマは、フェラーリ488ピスタ。また、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIにも愛着がある。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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