【欧州では新型の予約販売開始】日本で試乗 7代目VWゴルフRに求めたモノ、8代目新型ゴルフRに望むモノ

公開 : 2021.01.02 09:45  更新 : 2021.10.13 12:18

ゴルフのハイパフォーマンス・モデルのR。モデル末期の7代目でも一線級のパフォーマンスを発揮します。人々は7代目Rに何を求め、8代目には何を望むのでしょう。

一線級のポテンシャルを持つ7代目ゴルフR

text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

フォルクスワーゲンの大衆車であるゴルフ。初代モデルは1974年に登場し、すでに45年以上の歴史を持つ車種となっている。

そんなゴルフはベーシックなCセグメントのハッチバック車というキャラクターのほかに、もう一つの顔を持っている。それは皆さんご存知のホットハッチというキャラクターだ。

フォルクスワーゲン・ゴルフR(7代目)
フォルクスワーゲン・ゴルフR(7代目)

デビュー翌年の75年9月にフランクフルトショー発表された「GTI」は、直列4気筒SOHCの1.6Lエンジンと搭載。このエンジンはボッシュのKジェトロニック燃料噴射装置と9.5と高められた圧縮比によって、110ps/14.0kg-mという出力を発生。

今の基準でみればそこまでハイスペックな印象はないかもしれないが、当時のゴルフの高性能版に搭載されていた1.5Lエンジンはシングルキャブレターで70ps/11.4kg-mだったから、その上乗せは推して知るべしといえるだろう。

そして足回りもフロントストラット、リアセミトレーリングアームというサスペンション形状こそベース車と同一ながら、エンジンスペックに合わせて強化され、175サイズにアップされたタイヤ(1.5Lモデルは155幅)と相まって痛快なコーナリング性能を見せた。

そんな初代ゴルフGTIこそがホットハッチの元祖ともいえ、その後にリリースされた多くのモデルはゴルフGTIを手本にしたと言っても過言ではない。

ゴルフGTIを超える「R」

長らくゴルフのホッテストモデルとして君臨し続けてきたGTIであるが、4代目モデルにそれを上回るグレードが設定された。それがV6 3.2Lエンジンと四輪駆動システムである4MOTIONを搭載した「R32」だ。

ベーシックなグレードであれば1.6Lエンジンを積むゴルフに、倍の排気量のエンジンと路面をしっかりととらえる四輪駆動システムをプラスしたR32は、BMWのMやアウディのSに対抗するように「Rライン」と名付けられていた。

フォルクスワーゲン・ゴルフR(7代目)
フォルクスワーゲン・ゴルフR(7代目)

そして6代目ゴルフからは「R」となり、エンジンも直4の2リッター・ターボへと変更。7代目ゴルフのRに至っては280ps/38.7kg-mを発生するまでに至っている(のちに310ps/40.8kg-mまでパワーアップ)。

そんな7代目ゴルフRにこのタイミングで試乗するチャンスに恵まれた。すでに多くの方がご存知の通り、本国では8代目となるゴルフがすでにリリースされており、新型Rの存在もすでに明らかとなっている。欧州では予約販売がスタートしているため、7代目ゴルフRが旧型となるのも間もなくということになる。

7代目ゴルフRの日本仕様は2014年2月に登場しているからすでに6年以上が経過したモデルということになるが、2017年5月には大幅なマイナーチェンジを受け(通称ゴルフ7.5)エンジンも従来型よりもプラス30psという大幅なパワーアップを実現。

さらに組み合わされるDSGも従来の6速から7速になり、インフォテイメントシステムも進化。メーターに至っては12.3インチの大型ディスプレイのデジタルメーターとなり、一気に近代化がなされている。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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