シトロエンの真骨頂!ベルランゴXTRはシートだけでも購入理由になる【日本版編集長コラム#68】

公開 : 2026.02.08 12:05

AUTOCAR JAPAN編集長ヒライによる、『日本版編集長コラム』です。最近乗ったクルマの話、取材を通じて思ったことなどを、わりとストレートに語ります。第68回は『シトロエン・ベルランゴ』の話です。

デザインでそれぞれの個性を発揮

イタフラ、という言葉がある。もちろん自動車業界的には『イタリア車、フランス車』のことで、趣味性の高い両国のカーブランドたちを称したものだ。

最近は両国を代表するカーブランドを束ねる『ステランティス・グループ』になったことで、イタフラの素材を上手に共用している印象だ。中でも『シトロエンベルランゴ』、『プジョー・リフター』、『フィアットドブロ』などのいわゆる『ユーロ・ミニバン』はきょうだい車でありながら、主にデザインでそれぞれの個性を発揮している。

特別仕様車、『シトロエン・ベルランゴ・マックスXTRグリップコントロールパッケージ』。
特別仕様車、『シトロエン・ベルランゴ・マックスXTRグリップコントロールパッケージ』。    平井大介

今回取り上げるのは昨年9月に登場した特別仕様車、『シトロエン・ベルランゴ・マックスXTRグリップコントロールパッケージ』だ。具体的には以下の装備が特徴となっている。

・アドバンストコンフォートシート
・専用ファブリックシート
・グリップコントロール(サンド、マット、スノーモードあり)
・専用レッドカラーアクセント
・アンダーガードデコレーション
・専用17インチアロイホイール
・初採用のボディカラー『グリ・アルタンス』

中でも大きいのは、専用ファブリックのアドバンストコンフォートシートだろう。ホームページの解説をそのまま引用すると、『包み込まれるような座り心地のシトロエン独自の快適シートをフロントに採用』とされる。

実はステランティス・ジャパンの広報車駐車場で見かけて、担当氏から「これいいですよ~」と勧められたのが、お借りしたきっかけだ。ちなみに現行ベルランゴ自体を当コラムで扱うのは#10以来、2回目となる。

取材車は5人乗り2列の標準ボディだが、7人乗り3列のロングも用意される。最近は輸入車ミニバンも3列シートが売れるようで、実はロングが本命という方も多いのではないか。

気になる価格は439万2500円で、昨今の為替レートを鑑みると、かなり頑張った数字と言えるだろう。ロングは487万2500円だ。

『超快適』というより『じわじわ快適』

このアドバンストコンフォートシートは、結論から書けば素晴らしいものだった! これだけで選ぶ理由になると断言できるほど。座った瞬間はそれほどでもないが、気が付けば長距離の疲れが少ないのだ。『超快適』というよりは、『じわじわ快適』と書く方がしっくりくる。

また、タイヤが16から17にインチアップしているが、乗り心地への影響は感じられず、むしろ走りのしっかり感に貢献している印象。足まわりは相変わらずよく粘り、こんな大柄なボディなのに、コーナーで鼻先がよく入ってくるのには毎回驚かされる。

専用ファブリックのアドバンストコンフォートシートを装備。
専用ファブリックのアドバンストコンフォートシートを装備。    平井大介

エンジンは130ps/30.6kg-mの1.5L直列4気筒ディーゼルターボで、これがまあよく走る、走る。ディーゼルらしくトルクフルで力強く、エンジン音は意外と静か。今回はずっと空荷状態で走ったが、ある程度荷物を載せても十分に走りそうな雰囲気。適度な熟成感もあり、乗れば乗るほど、もしやこのディーゼルは名機なのでは? と本気で思い始めている。

満タン時でメーターの走行可能距離は900kmを示しており、これは長距離に出ようとするドライバーに勇気を与える数字だ。参考までに今回は高速道路を中心に433kmを走って、平均燃費は17.2km/Lを示した。

装備面ではナビゲーションを装備しないのが潔く、グーグルマップのヘビーユーザーである筆者は、アップル・カープレイで接続したので問題なし。他にも、国産車でよく見られる日本人的『痒い所に手が届く』装備はないかもしれないが、逆に余計な装備はついていないという見方もできる。これは良し悪しではなく、思想の違いだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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