新型EV『フェラーリ・ルーチェ』のインテリアは歴史的転換点! 完全デジタルではなくアナログな魅力 実際に触れた記者視点
公開 : 2026.02.11 07:05
フェラーリ初のEV『ルーチェ』のインテリアは、iPhoneデザイナーとしても知られるジョニー・アイブ氏が担当。完全にデジタル化すると思いきや、アナログな魅力に溢れていました。AUTOCAR英国記者コラムです。
完全にデジタル化されると思いきや
先週、米サンフランシスコのトランスアメリカ・ピラミッド27階で、筆者は待望のフェラーリEVのインテリアをいち早く見せてもらった。『ルーチェ(Luce)』と命名されることを知ったのは、その直前だった。
インテリア(5月に公開予定のエクステリアも同様)は元アップルのデザイン責任者ジョニー・アイブ氏率いるラブフロム(LoveFrom)社が手掛けたため、当然ながら期待値は高かった。跳ね馬のエンブレムを初めて掲げるEVという文脈においても同様だ。

そして、アイブ氏やマラネロの重役たちがインテリアの素晴らしさについて熱く語るのを聞いていると、ついついその熱狂に引き込まれそうになった。
冷静に考えを整理した今でも、これは本当に見事なデザインだと思う。フェラーリが公式に公開したCG画像だけでは、このインテリアの真価は伝わらないだろう。
筆者が注目したのは、その直感的な操作性だ。アイブ氏は、物理的な体験と高速走行中でも容易に操作できるコクピットを目指した、と語っていた。その意図は完成品にも確実に反映されている。
最大の驚きは物理的な操作装置の多さだ。iPhoneのデザイナーがペンを握ったのだから、ダッシュボード全体に広がる巨大タッチスクリーンなど、もっと画面中心のレイアウトを予想していた。だが実際はまったく異なる。
筆者はルーチェのキャビンを隅々まで触れてみたが、すべての要素に存在意義を感じた。「機能しないものは醜い」とアイブ氏は述べ、「美は機能から生まれる」と付け加えた。
積極的に操作したくなる新鮮なデザイン
しかし、機能性へのこだわりがフォルムを犠牲にしていない点も特筆すべきだ。コスト削減の痕跡が感じられる要素は1つもなかった。これは高価格帯のクルマにとって極めて重要だ。
iPadを思わせるセンタータッチスクリーンの下部にあるスイッチ類、ガラス製のドライブセレクター、分厚いステアリングパドル、さらにはエアベントに至るまで、すべてに高級感があり、操作感も満足のいくものだった。むしろ、積極的に触りたくなるほどだ。これこそ設計の妙ではないだろうか。

インテリアはレザー、アルマイト加工(陽極酸化処理)されたアルミニウム、強化ガラスで溢れている。ガラスは、高級感を強調する素材としてプラスチックの代わりに使われている。
アルカンターラは一切使われていない。これはむしろ新鮮だ。通常、高級感とスポーティさを加えるために使用される素材だからだ。
見た目や操作性だけでなく、アプローチにも興味深い点がある。ラブフロム社の共同創業者マーク・ニューソン氏は、過去のフェラーリと高級時計から影響を受けたデザインだと語っている。
タッチ操作を重視しているにもかかわらず、伝統的なクラフトマンシップが感じられる。確かに過剰設計の感はある(小さな時計には操作ダイヤルが9つもある)。だが、この価格帯なら当然のことだろう。
来年登場予定の量産モデルに、こうしたコンセプトがどう反映されるのか、非常に興味深い。
インテリア公開前には、iMacやiPhone、iPad、Apple Watchのデザインを手掛けた人物が、マラネロの重要モデルの開発に携わったら何ができるのか、大きな期待が寄せられていた。彼が実現したものは、その期待に見合うものだ。エクステリアの公開が待ち遠しい。
画像 デジタルとアナログの見事な融合。触れる喜びを感じるデザイン【フェラーリ・ルーチェのインテリアを詳しく見る】 全21枚























