【車載システムにAndroid採用】フォード、グーグルとの提携発表 コネクテッド強化

公開 : 2021.02.02 20:05

フォードとグーグルがコネクテッド分野で提携。2023年から全モデルにAndroidが採用される予定です。

中国以外でAndroidを標準装備

text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

フォードはコネクテッドサービス強化のため、グーグルとの提携を発表した。「コネクテッド・ビークル体験を再発明」するとしている。

6年間の戦略的提携の中で、グーグルはデータ、人工知能、機械学習の専門知識をフォードに提供する。2023年からは、フォードとリンカーンの全モデルの車載システムにAndroidが採用されることになる。

フォード・マスタング・マッハE
フォード・マスタング・マッハE

これにより、フォードは前世代でマイクロソフトとの提携により開発された車載システム「Sync」を廃止することになる。中国ではグーグルのサービスが禁止されているため、同市場で販売する車両には搭載されない。

フォードとグーグルは、新たに立ち上げた「Team Upshift」の下で協力していく。購入時のプロセスから所有権の提供に至るまで、「パーソナライズされた消費者体験のロックを解除する」ことを目指す。

グーグル・クラウドはフォードの推奨ソフトウェア・クラウド・プロバイダーに指定されている。これにより、既存のデータ分析と人工知能を利用して製品開発と製造業務を強化するだけでなく、クルマの所有者に定期的な整備や下取りのオファーをリアルタイムで通知することができるようになる。

両社は、「楽しく、安全で、より効率的なコネクティッド・カー体験を提供し、ドライバーの注意力散漫を最小限に抑え、ソフトウェアのアップデートで顧客をテクノロジーの最先端に導く」ことを目指すとしている。

パーソナライズを強化

2023年から、フォードとリンカーンの各モデルにはグーグル・アシスタントの音声コントロール機能、グーグル・マップ、グーグル・プレイが標準で搭載される。さらにフォードは、サードパーティのディベロッパーと協力して、所有者に合わせたアプリの開発についても示唆している。

フォードの広報担当者は次のように述べている。

フォード・マスタング・マッハE
フォード・マスタング・マッハE

「わたし達は、顧客とより親密な関係を築くことができます。車内での行動により、すべてのやりとりが個人的なものになるからです」

グーグルの広報担当者は、同社がこのシステムを通じて、広告主とサードパーティーのデータを共有することはないと述べた。

Apple CarPlayなど、ライバルの機能は引き続き利用可能だ。

フォードのジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)は次のように述べている。

「フォードは、電動化、コネクティビティ、自動運転など、当社の歴史の中で最も重要な変革を続けていますが、グーグルとフォードが協力することで、顧客に優れた体験を提供し、ビジネスを近代化することができるイノベーティブな企業として確立します」

「当社は、フォードらしい製品やサービスを生み出すことに注力しています。この提携により、グーグルの世界クラスのアプリやサービスへのアクセスをシームレスに提供しながら、フォードとリンカーンのお客様のためにイノベーションを起こすことができるようになります」

インターネットの巨人のサービスを採用するのは、フォードが初めてではない。2018年には、ルノー日産三菱アライアンスがグーグルと提携して専用の車載システム開発に取り組んでいることを発表した(2021年導入予定)。一方、ポールスター2とボルボXC40 P8リチャージEVでは、グーグルの機能を内蔵したAndroidベースの車載システムを採用している。

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