【珠玉の名車、岡山に】西日本最大のクラシックカー・ラリー ベッキオ・バンビーノ・プリマベーラ

公開 : 2021.05.03 11:45  更新 : 2022.11.01 08:55

西日本最大のクラシックカー・ラリーとして親しまれている「ベッキオ・バンビーノ」の春季大会が、新型コロナの感染が再拡大する前の4月3~4日に開催。珠玉のクラシックカーが、岡山路を駆け抜けました。

2021年は春季大会を開催

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:Vecchio Bambino (安藤壮一、高原義卓、中塚康弘、本田健太、松浦礼男、山本聖貴)

 
 
西日本最大のクラシックカー・ラリーとして親しまれている「ベッキオ・バンビーノ」。その春季大会となるプリマベーラが、岡山を舞台に4月3〜4日に行われた。

「ベッキオ・バンビーノ」は、チャリティー・クラシックカー・ラリーとして2011年に始まり、今回で17回目を迎えた。大会名の「ベッキオ・バンビーノ」は、イタリア語で子どもの心を持ち続ける大人、永遠の少年を意味する。

沿道では参加車にカメラを向ける未来のドライバーの姿も見られた。
沿道では参加車にカメラを向ける未来のドライバーの姿も見られた。    Vecchio Bambino

単にクラシックカー・ラリーとしての競技だけではなく、訪れる先々でのふれあいと心の交流、そしてチャリティをメインテーマとする。参加者や立ち寄り先でのギャラリーからの募金を行い、これまでの16回で総額2370万円を超える募金を集めて寄付してきた。

昨年の春季大会は新型コロナウイルス感染症拡大の影響から中止になってしまったが、今年はコロナ対策を徹底し、最大限の対策を施して行われた。

プリマベーラとは

「ベッキオ・バンビーノ」は春と秋の2回開催されてきた。春季大会はイタリア語で春を意味する「プリマベーラ」をサブタイトルとされている。

参加できるのは1972年までに製造されたヨーロッパ製のヴィンテージ・スポーツと、実行委員が認める各年代の車両で、今回は全国から63台が集まった。

今年も岡山懸護国神社からラリーが始まった。
今年も岡山懸護国神社からラリーが始まった。    Vecchio Bambino

参加車の中で最も古いのは1926年ベントレー3L スピードモデル・フィテッド4 1/2Lで、このほかMG PAレーサー、シムカ8スポール・バルケットと戦前車は3台が参加した。

今年の1日目のルートは、岡山懸護国神社を起点に、農マル園芸あいかわ農園、津山市中央商店街、新庄村、新見市御殿町センター、吹屋ふるさと村、井倉洞のチェックポイントを経て鷲羽山ハイランドがゴールとなる。

2日目は鷲羽山ハイランドをスタートし、県西部の倉敷美観地区、玉島ハーバーアイランド、玉島通町商店街、西町仲買町、沙美海岸、カブトガニ博物館、道の駅「山陽道やかげ宿」、旧山陽道矢掛町を経てゴールの岡山プラザホテルまで。

1日目は327.06km、2日目は188.0kmを走行し、2日間で515.06kmを駆け抜けた。ホテルに全車帰着後に表彰式が行われるというプログラムが組まれた。

23のPCで正確さを競う

クラシックカー・ラリーで楽しみの1つが、線踏みことPC競技だ。PC競技は、設定された区間を定められたタイムで走行するもので、いかに規定タイムに近く走るかを競うもの。

今回は1日目に農マル園芸あいかわ農園でPC-1〜3、ひるぜんベアバレーではPC-4〜6に続き5連続のPC7〜11が行われた。

PC競技は定められた区間を、規定タイムに近く走るかを競う。
PC競技は定められた区間を、規定タイムに近く走るかを競う。    Vecchio Bambino

2日目はスタート直後の鷲羽山でPC12〜14、笠岡空港では4連続となるPC15〜18が設定された。4連続のPC15と16の間に賞典外でスピードを競うスペシャル・ステージが初めて設けられたのがニュースといえる。

最後に恒例となった北原工業の敷地内で難易度の高い5連続でPC19〜23が用意され、合計23セクションで競われた。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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