【女性レーサーの活躍】Wシリーズ 2年ぶり2度目の開催 参加資格は「才能」のみ

公開 : 2021.06.27 18:05

女性限定のフォーミュラレース、Wシリーズが開幕。才能あるレーサーたちが全8戦に渡るレースを繰り広げます。

Wシリーズは「オポチュニティ」

text:Damien Smith(ダミアン・スミス)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

685日。アリス・パウエルがブランズハッチで素晴らしい勝利を収めてWシリーズのシーズン1を締めくくってから、オーストリアのレッドブル・リンクで行われるシーズン2の開幕戦まで、それだけの時間が空いていたことになる。

2019年8月のあの劇的なフィナーレ以来、女性限定のWシリーズは、パンデミックを生き抜くために不可欠な冬眠に入った。そして今、再び目を覚まし、新たに頭角を現すことになる。2021年からはF1のサポートアクトとなり、全8戦を繰り広げ、10月下旬にメキシコでシーズンを締めくくることになる。

Wシリーズは2019年に発足したばかり。
Wシリーズは2019年に発足したばかり。

Wシリーズのグリッドに並ぶパウエルと20人の同志たちは、「オポチュニティ(好機)」というキーワードで同シリーズを表現している。Wシリーズはいまだに、差別的だと批判する人たちと戦わなければならない。

2014年に予算の都合でシングルシーターでのキャリアを終了したパウエルは、次のように述べている。

「F1のサポートイベントとなる今年は特に、わたしにとってはタイトルを獲得することがすべてです」

「なぜこのようなことをしているのかとよく聞かれるのですが、その答えは、Wシリーズがなければレースに出る機会がなかったからです。わたしのような人がレースに復帰する機会であると同時に、他の若い女の子たちがWシリーズを目指す機会でもあり、モータースポーツの階段を上る助けにもなるのです」

重要なのは、Wシリーズに参加するために大金を払う必要はなく、実力で参加権を得られるということだ。もちろん主催者側による選考はあるが、つまるところ参加資格は「才能」の有無なのである。

F1のサポートレースとして

Wシリーズの最高経営責任者であるキャサリン・ボンド・ミューアは、前回のレースから22か月が経過した今、多くのことを期待している。

「まず第一に、再びレースに戻ってこれたこと。これは昨年以降、最も重要なことです。次に、F1がわたし達に与えるであろう影響の未知数と、モータースポーツ最大のグローバル・プラットフォームでのレースの興奮です」

ジェイミー・チャドウィック
ジェイミー・チャドウィック

2019年のWシリーズに興味を持った人々にとっては驚きではないかもしれないが、F1がこのように早くからWシリーズを受け入れたことは快挙といえるだろう。

1.8Lのターボエンジンを搭載した20台のタトゥスT-318(ワンメイク)を走らせるエンジニアとメカニックのチームを率いるのは、今でもF1界で尊敬されている元マクラーレンのチームマネージャー、デイブ・ライアン。シリーズのディレクターには、13回のGP優勝経験を持ち、チャンネル4(英国の公共テレビ局)のF1コメンテーターに転身したデビッド・クルサードが名を連ねている。

また、スポーツ界における男女の不平等がようやく解消されようとしている今、Wシリーズの開催は絶好のタイミングと言えるだろう。

ボンド・ミューアは、「もし2年目で、すべてのレースがF1で行われるようになると言われたら、わたしは笑っていたでしょうね」と語る

「これは、デイブ・ライアンと彼のチームに対する絶大な信頼の証なのです。今ではF1関係者から、初年度はじっくり見ていたと聞いていますし、実際にブランズハッチでのレースには、F1関係者が何人も見に来てくれました」

「わたし達のチームのプロ意識が、シリーズの運営だけでなく、素晴らしいスポーツを生み出しています。ブランズハッチは素晴らしいレースでした。レースをよりエキサイティングなものにしてくれたジェイミー(チャドウィック)には感謝しています」

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