【エンジン大国】史上最高のドイツ製エンジン 20選 単気筒からW16まで

公開 : 2021.07.11 06:05  更新 : 2021.07.17 03:56

ドイツは数え切れないほど多くのエンジンを生み出してきました。中でも特筆すべき名機を20台ご紹介します。

数々の名機を生み出したドイツ

text:David Finlay(デビッド・フィンレイ)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

ドイツは、自動車の黎明期から現在に至るまで、エンジンを生産し続けてきた。

約140年の間に、ドイツのエンジンのラインナップは驚くべきものに発展した。日常的な輸送用のシンプルで効果的なものから、驚異的なパワーを持つ巨大ユニットまで、あらゆるものがドイツで作られた。

ポルシェ911
ポルシェ911

その中でも注目すべきエンジンを、クルマを中心に20台ピックアップした。数を絞ることで、必然的に多くの有力候補が除外されたことをご了承願いたい。

アウディR10 TDI

アウディが開発したツインターボの5.5L V12ディーゼルエンジンは、2006年にスポーツレーシングカー「R10 TDI」に搭載されてデビューした。

R10は、その年のル・マン24時間レース、セブリング12時間レース、アメリカン・ル・マン・シリーズのLMP1クラスで優勝し、大成功を収めた。それまで、ディーゼルエンジン搭載車でこれほど活躍したクルマはなかった。

アウディR10 TDI
アウディR10 TDI

2007年と2008年、アウディはル・マンとALMSで優勝を繰り返したが、その後、R10は5.5LのV10 R15 TDIという別のディーゼル・レーサーに取って代わられた。

このエンジンは、フォルクスワーゲン・グループのディーゼルエンジン生産能力の高さを示すものだったが、少々問題のある遺産となってしまった……。「TDI」のロゴが刻まれたレースカーを再び見られることはまずないだろう。

アウディR5

R5は、多くのアウディ車と一部のフォルクスワーゲン車に搭載された5気筒エンジンのファミリーだ。最も有名なのは、1980年以降のアウディ・クワトロに搭載された2.1Lターボエンジンで、最初はシリンダーあたり2バルブ、後には4バルブになった。

アウディは1980年代前半の国際ラリーを席巻したが、それはこのエンジンのおかげだ。また、このエンジンがグラベルでトラクションの問題を起こさなかったのは、アウディが4輪駆動のアイデアを取り入れたからである。

アウディ・クワトロ
アウディ・クワトロ

アウトウニオンV16

1934年から1939年にかけてメルセデスとアウトウニオンが製造した恐ろしく速いグランプリカーやレコードカーは、どれも手強いエンジンを搭載していたが、アウトウニオンのV16はその中でも最も輝かしいものだったと言えるだろう。

ポルシェが設計したこのエンジンは、決して高回転型ではなかったが(6000rpmまで回ったバージョンは存在しない)、圧倒的なトルクとそれに見合う絶大なパワーを発揮した。

アウトウニオン・タイプC
アウトウニオン・タイプC

記録更新のためだけに作られた究極のバージョンは、排気量6.3Lで、最高出力は553psに達した。1938年、アウトウニオンは規則の変更により、グランプリ用に3.0L V12を開発することになった。

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