ジープ、電動化へ大転換 誰がどんな影響うける 80周年で

公開 : 2021.07.16 10:05  更新 : 2021.10.09 22:24

カクカクしたジープ自動運転で……

電動化が広げるジープの未来。

今回のラウンドテーブルの中では「Jeep Life Electrified」と銘打ったビデオ映像も公開された。

ジープ・ブランドのクリスチャン・ムニエCEO。
ジープ・ブランドのクリスチャン・ムニエCEO。    ジープ

その中では2021年から2030年にかけてジープ・ブランドが目指すビジョンが再現されていた。

最初に登場するのは、オフロード・トレイルの中にある太陽光チャージングステーションで充電する2台のラングラー4xe。大自然と共生しながらワイルドにクルマを走らせる姿が表現されている。

また5年後の2025年7月には人体認証によって車輛のロックが解除される様子や、ラングラー同士で電力をシェアしあうピア・トゥ・ピア・チャージング、ドローンの案内で夜の森を走るジープ・ドローン・ペアリングといった進化が見て取れる。

2030年7月のイメージは特に印象的だ。トレイルランニングで山の頂に到達したオーナーのもとに、オートノマス(自動化運転)によって自走してきたラングラーがやって来る。

そのトレイルからの帰り道もドライビングはクルマ任せ。オーナーのカップルはシートをフルフラットに倒したまま満点の星空を眺めて帰宅の途につくのである。

このビデオが印象的なのは、将来のジープがどのような技術を実装するかという実務的な話ではないという点だろう。カスタマーにどんなベネフィットを与えられるのかにフォーカスが当たっているのだ。

これは世界中に多くの熱心なカスタマーを抱え、かれらと自然をいかに結びつけるかを考えているジープらしい視点といえる。

伝統的なクロカン4駆であるラングラーをブランドの中核に据えていることもあり、以前は電動化とは縁遠いイメージがあったジープ。

だが道なき大自然の中に果敢に踏み込んでいくようなブランド・イメージは、カスタマーの嗜好も含めてゼロエミッションに相応しいともいえる。

今回発表されたジープ・ブランドの電動化の未来は急進的ともいえる大改革だ。

しかし近年の彼らのパワフルな成長曲線を考えれば、4xeの試みは5~10年先に確実な成果をもたらすと確信できるのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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