新CEOファブリス・カンボリーブが語る近年の躍進 ルノー:ベスト・マニュファクチャー賞(1) #AUTOCARアワード2026

公開 : 2026.07.09 18:05

2025年後半から2026年前半で、UK編集部が各カテゴリーのベストを称えるAUTOCARアワード。話題を生んだ優秀なメーカーへ贈られるベスト・マニュファクチャー賞には、ルノーが輝きました。

英国市場では前年度13%増しで売れるルノー

ルノーの新CEO、ファブリス・カンボリーブ氏は、ツアーガイドとしての才能もお持ちらしい。発売されたばかりのルノー・トゥインゴ E-テックを運転する彼は、パリの東部と西部の違いを興味深く比較しながら、お気に入りの場所を紹介してくれる。

観光目的ではない筆者にも素晴らしい体験ながら、今日は話題を自動車関連へ戻す必要がある。近年のルノーの躍進は凄まじい。5 E-テックと4 E-テックに続き、2026年にはトゥインゴ E-テックも登場した。

ルノー・トゥインゴ E-テック・エレクトリック(欧州仕様)
ルノー・トゥインゴ E-テック・エレクトリック(欧州仕様)

英国市場でもルノーは好調に売れており、2025年の販売数は、2024年比で13%増しの6万8000台。その内、29%はバッテリーEVが占めている。2026年も、今のところ前年比7%増で推移しているそうだ。

ゼロエミッション化の要件を上回るペースで、ルノーはEVを販売している。中国勢の攻勢へ多くの既存メーカーが苦慮する中で、同社はハイブリッドとEVの開発へ注力し、訴求力あるモデルを次々に投入している。

成功は多くの要素が積み重なった結果

この好ましい流れを受けて、2026年のベスト・マニュファクチャー賞に選ばれたのがルノー。そこで今回は、小さな最新EVでパリを散策しながら、カンボリーブ氏へインタビューさせていただいている。

パリ南西部、ビヤンクールへ位置するルノー本社を出発し、セーヌ川沿いにエッフェル塔方面へ向かう。トゥインゴの車窓から見える古い石垣は、フランス南西部、バスク地方に由来するものらしい。この道は、普段の通勤路なのだとか。

ルノー・トゥインゴ E-テックを運転するルノーの新CEO、ファブリス・カンボリーブ氏
ルノー・トゥインゴ E-テックを運転するルノーの新CEO、ファブリス・カンボリーブ氏

ひと呼吸おいて、ルノー成功の理由を彼へ尋ねてみる。「多くの要素が積み重なった結果です。成功するには、多くの条件を満たす必要があります」

前ルノー・グループCEO、ルカ・デ・メオ氏が掲げた「ルノーリューション」の流れを汲み、現フランソワ・プロヴォストCEOによる戦略下で進められる計画に、話題は及ぶ。特定の理由があったわけではないと、彼は考えている。

現在注力するのはレンジエクステンダー

カンボリーブ氏が続ける。「電動化を進めつつ、2本の脚でバランスを取り、一方へ偏らないこと。ハイブリッドとバッテリーEV、両方への投資が結果に繋がったといえます」

規模の大きくないルノーにとって、多様な技術を追求しなかったことが、プラスに働いた。「すべてを手に入れようとするより、そう考えない方が楽な場合もあります」

ルノー5 E-テック・エレクトリック(欧州仕様)
ルノー5 E-テック・エレクトリック(欧州仕様)

彼はまた、アプローチの転換も進めた。メガーヌとキャプチャーからの、プラグイン・ハイブリッド廃止はその1つだ。数年前、その技術から距離を置くことはリスキーに思われたが、現実的には違ったようだ。

現在のルノーが注力するのは、レンジエクステンダー。駆動用モーターへ電気を供給する、発電用エンジンだ。「時には、少し賭けに出る必要もあります。自動車業界は、即興的には進みません。あらゆる決断に、数10億ユーロという予算が投入されますから」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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