【史上最大の革命】WRC ハイブリッド化をどう思う? チーム代表に聞いてみた

公開 : 2021.08.08 06:25

2022年にハイブリッドが導入されるWRC。ラリーの魅力にどう影響するのか、Mスポーツ代表に尋ねました。

ラリーにとって賢明な一歩

text:Damien Smith(ダミアン・スミス)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

マルコム・ウィルソンは、40年以上にわたるラリーのキャリアの中で、あらゆることを経験し、成し遂げてきた。伝説のグループB時代のラリーを乗り越え、30年間にわたって何らかの形で世界ラリー選手権(WRC)にフォードの代表として参加し、コリン・マクレーとカルロス・サインツを同じチームで走らせ注目(とストレス)を集めた人物である。

そんな彼が、2022年から導入されるハイブリッド技術についてどう考えているのか。英国カンブリア州出身の彼は、印象に残りづらい人物だ。マシンのハイブリッド化は、彼の情熱に火をつけたのだろうか。直接聞いてみた。

Mスポーツのフォード・プーマ
Mスポーツのフォード・プーマ

「正直なところ、そうですね」と彼は笑顔で答えた。「テスト期間中に森を走らせ、とても興奮しました。ラリーにとって最大の革命であることに疑いの余地はありません……おそらくグループB時代よりも大きいでしょう」

先日英国で開催された自動車イベント、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、ウィルソンのMスポーツ(M-Sport)とフォードは、来年のWRCに参戦する新型プーマ・ラリー1を公開した。

フィエスタに代わって採用されたコンパクト・クロスオーバーのプーマは、ヒルクライムを全力疾走し、ラリーファンに愛されているお馴染みのサウンドを披露した。2014年にF1がハイブリッド化した際には、1.6L V6ターボの弱々しい音をかき消すほどの苦情が寄せられたが、WRCのステージでは話が違ってくるだろう。

Mスポーツのチーム代表であるリチャード・ミレーナーは、「変化を受け入れることがどれほど難しいかは誰もが知っていることですし、騒音や雰囲気を失いたくないという思いもありますから、ラリーにとっては賢明なステップです」と述べている。

「わたし達は、現在ショールームで市販されているクルマを反映させています。これはエキサイティングな機会です」

見た目やサウンドは変わらず

世界の流れを考えれば、ラリーがハイブリッド技術を取り入れるのは当然のことであり、WRCの3つのメーカー(フォード、ヒュンダイトヨタ)が参戦を継続するためにも、また、他のメーカーに参戦を検討してもらうためにも、必要なことなのだ。

フォード・パフォーマンスのグローバル・ディレクターであるマーク・ラッシュブルックは、プーマ・ラリー1のデビューを見届けるために米国からグッドウッドに足を運んだ。

マルコム・ウィルソン
マルコム・ウィルソン

「マイルド・ハイブリッド、プラグイン・ハイブリッド、完全EVなど、あらゆる市販車で電動化が進んでいるので、どこかで電動化で勝負したいと思っていました」

「ハイブリッド車や完全EVを導入している、またはこれから導入するであろうモータースポーツを見て、FIAとWRCが2022年の新マシンとして提示したものにとても満足しています」

「そして、ラリーの世界では常にMスポーツとパートナーシップを組んできたので、この関係を継続し、新しいルールで新しいクルマを作る機会を得たいと思いました」

ラリー1と呼ばれる新ルールで焦点となるのは、コスト管理と持続可能性、ハイブリッド技術だ。FIAによると、「見た目と音の主張」という基本的な要件は変わらず、4輪駆動と現行の1.6L 4気筒ターボガソリンエンジンも変わらないが、現行のWRCカーより複雑さとコストを削減する努力がなされている。

「現在のアンチ・ラグ・システムなど、高価なアイテムを外してもパワーは変わりません」と、ウィルソンは説明する。

「今回のレギュレーションのベースとなったのは、ラリー2カテゴリーです。5速トランスミッションとマニュアルシフトに戻して、車両のエントリーコストを下げることにしました」

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