111km/Lの超低燃費! 激レアなフォルクスワーゲン『XL1』との生活 お金はかかるけど「絶対に手放せない」

公開 : 2026.02.04 11:45

宇宙船のような外観を持つ、希少なフォルクスワーゲン『XL1』を半年前に購入した英国のデイビッド・パワーさん。空気抵抗の少ない流線形デザインと最新技術を融合させ、驚異的な低燃費を誇ります。ただ整備は大変とのこと。

宇宙船のような流線形デザイン

英国の郊外の脇道に停められたデイビッド・パワーさんのフォルクスワーゲン『XL1』は、まるで宇宙から降り立ったかのようだ。バタフライドアの片方が開いており、好奇心旺盛な通行人の注目を集めている。

「皆、立ち止まって見ていきますよ」と話すデイビッドさん。人々の反応を楽しんでいる様子が伝わってくる。XL1は小型の2人乗りクーペ(助手席はやや後方にオフセット)で、カーボンファイバー製ボディ、デジタルサイドミラー、そしてCd値0.186という空力性能を持つPHEVである。

デイビッド・パワーさんのフォルクスワーゲンXL1
デイビッド・パワーさんのフォルクスワーゲンXL1    AUTOCAR

800ccの2気筒ディーゼルエンジンが発生する出力はわずか47ps、電気モーターは26psだが、車重795kgと非常に軽い。

XL1は2000年代初頭、燃費向上と排出ガス削減技術の向上を目的として開発がスタートした。2013年の量産モデルは、ディーゼル&電気モードで約111km/L、ディーゼルモードで約50km/Lの低燃費を誇り、CO2排出量はわずか21g/kmとされた。

気持ちのいい軽快な走り

デイビッドさんは話を続ける。

「XL1の開発には10年かかりました。フォルクスワーゲンのフェルディナント・ピエヒ会長が夢見た1Lカー、つまり1Lの燃料で100km走行できるクルマが実現したのです。同時にCO2排出量削減を目指したプロジェクトでもありましたが、発売直後にスキャンダル(ディーゼルゲート)が発覚してしまいました」

デイビッド・パワーさんのフォルクスワーゲンXL1
デイビッド・パワーさんのフォルクスワーゲンXL1    AUTOCAR

「つまり、フォルクスワーゲンは100km/Lの低燃費を達成できるディーゼル車を開発しながら、他方で(排出ガス試験で)不正を行っていたのです」

サスペンション部品の設計・製造会社パワーフレックス(Powerflex)の創業者であるデイビッドさんは、XL1に注ぎ込まれた技術に魅了されている。

「XL1はレンジエクステンダーではありません。後部に搭載されたディーゼルエンジンと電気モーターは、連動することも単独で駆動することも可能です。十分な充電量があればEVモードで走行し、急加速時にはモーターとエンジンが連動します」

「111km/Lという数値は、バッテリーを多用し、エンジンをほとんど使わない走行サイクルで達成されるものです。長距離走行ではディーゼルエンジンの使用率が高くなりますが、わたしは実際に53km/Lを記録したこともあります。パワーステアリングは搭載されていませんが、必要ないですね」

「走りはとても気持ちよく、加速もかなり鋭い。気に入っている点は、これが正真正銘のフォルクスワーゲン製品だということです。ボディは硬めですが乗り心地は良く、サスペンションは十分なストロークとコントロール性を備えています」

デイビッドさんによれば、XL1のタイヤはシトロエン2CVよりも細いそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    役職:特派員
    フリーランスのジャーナリストで、AUTOCAR英国編集部の元スタッフ。姉妹誌『What Car?』誌の副編集長や『Practical Caravan誌』の編集長なども歴任した。元自動車ディーラーの営業マンという経験を活かし、新車・中古車市場や消費者問題について幅広く取り扱っている。近年は、これらのニュースや特集記事に加え、アイスクリーム・ワゴンのDIY方法から放置車両の探索まで、さまざまな記事を寄稿している。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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