フェラーリ 849テスタロッサ(2) 0-100km/h加速2.3秒切り 8速ATの見事なシンクロ 約8560万円の実力へ惚れる

公開 : 2026.02.04 18:10

SF90 ストラダーレの進化版といえる、849テスタロッサ 4.0L V8に3モーターのハイブリッドは1050psへ 0-100km/h加速は2.3秒以下 安定感と一体感へ惚れ惚れする操縦性 UK編集部が試乗

驚異的な0-100km/h加速2.3秒以下

フェラーリ SF90 ストラダーレのメジャー・アップデート版といえる、849テスタロッサ。4.0L V8エンジンは低域レスポンスに優れ、8000rpmまで瞬で吹け上がる。技術者は、喉をからしたようなドライな音色だと主張するが、的を得ている。

0-100km/h加速2.3秒以下という数字は、驚異的な動力性能を宿す証。だがそれ以上に、サーキットで筆者の心へ響いたのは、8速デュアルクラッチATの仕事ぶりだった。駆動用モーターが介在することで、見事な回転数のシンクロが実現している。

フェラーリ 849テスタロッサ・アセットフィオラノ・パッケージ(欧州仕様)
フェラーリ 849テスタロッサ・アセットフィオラノ・パッケージ(欧州仕様)

ちなみに、プラグイン・ハイブリッドながら、燃費は10.8km/L。定期的に充電を繰り返せば、この数字へ近づける可能性はあるが、CO2削減を狙ったセットアップではない。電気の力は、パフォーマンス上昇のために存在している。

クイックでも神経質ではないステアリング

今回は、レッドとイエロー、2台の849テスタロッサへ試乗させていただいた。先にステアリングホイールを握ったのはレッドの方で、場所はサーキットだ。

タイヤはミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2を履き、30kg軽量化できるアセットフィオラノ・パッケージが組まれていた。オプションのリアスポイラー・エクステンションと、マルチマティック・ダンパーも装備していた。

フェラーリ 849テスタロッサ・アセットフィオラノ・パッケージ(欧州仕様)
フェラーリ 849テスタロッサ・アセットフィオラノ・パッケージ(欧州仕様)

路面は若干ウェットで、グリップ力は自ずと制限されたが、SF90より親しみやすいことは明らか。それでも、リアアクスルが主役で最高出力は総合1050ps。速いペースカーへの追走では、油断すると簡単にテールが流れようとする。

ステアリングは、ロックトゥロックが2回転。間違いなくクイックだが、神経質さはない。常に緩やかなアンダーステアで、きっかけを与えれば、制御しやすいオーバーステア。筆者の運転スキルでは、アタフタする場面もゼロではなかったが。

安定感と一体感へ惚れ惚れするミドシップ

続いて、アダプティブダンパーとピレリPゼロ Rが組まれた、イエローの849テスタロッサで公道へ。舗装は部分的に濡れていたが、ペースカーはなく、自分のリズムに乗れる。

ステアリング上のマネッティーノ・スイッチを回し、バンピーロード・モードを選ぶ。最近のフェラーリの、乗り心地へ舌を巻く。ダンパーは、ソフトでもハードでも、姿勢制御は秀抜。うねるような路面で、アンダーボディが擦る様子もない。

フェラーリ 849テスタロッサを公道で評価する筆者、マット・プライヤー
フェラーリ 849テスタロッサを公道で評価する筆者、マット・プライヤー

ステアリングのレスポンスは、極めて爽快。ボディサイズから想像する以上に機敏な回頭性ながら、過敏ではない。限界より遥か低い領域で流している限り、電動パワーステアリングの感触も自然。本当に、意のままに操れる。

ヒルクライムのようなルートでも、素晴らしい印象は続く。最近のモデルらしく、もう少し車重は軽い方が望ましいとはいえ、重さは巧みに包み隠されている。後輪駆動の操縦性を堪能でき、安定感と一体感へ惚れ惚れする、ミドシップ・スーパーカーだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

フェラーリ 849テスタロッサの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事