【標準でも439km】ポールスター2 スタンダードレンジ・シングルモーターへ試乗 1番安価な2

公開 : 2021.08.24 08:25

ボルボと親密な関係にある、振興ブランドのポールスター。最も安価なクロスオーバー純EVの2を、英国編集部が評価しました。

1番安く、439km走れるポールスター2

執筆:Piers Ward(ピアス・ワード)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
純EVのクロスオーバー、ポールスター2として最もシンプルな仕様が、このシングルモーターのスタンダードレンジ。1番安価なポールスター2でもある。テスラモデル3アウディQ4 eトロンなど注目を集める純EVに対して、訴求力を強める存在でもある。

ポールスターのモデル名は、とてもシンプルだ。名付けるルールにも、複雑なルールなどは存在しないらしい。

ポールスター2 スタンダードレンジ・シングルモーター(英国仕様)
ポールスター2 スタンダードレンジ・シングルモーター(英国仕様)

スタンダードレンジ・シングルモーターの登場で、英国では3種類からポールスター2を選べるようになった。ほかに用意されているのは、ロングレンジのシングルモーターと、同じくデュアルモーターとなる。

リチウムイオン・バッテリーは変わらずフロアにマウントされるが、デュアルモーターの78kWhより容量は小さく、64kWhになる。それでも航続距離は439kmと充分に長い。

ちなみにロングレンジのシングルモーターなら、航続距離は539kmまで延びる。1度の充電で走れる距離を最も重視するなら、こちらを選びたい。

フロントタイヤを駆動する1基のAC同期モーターの最高出力は、224ps。407psを発揮するデュアルモーターの2より173kgも軽量なおかげで、スタンダードレンジ・シングルモーターの0-100km/h加速時間は7.4秒と、不足ないほどに鋭い。

これ以上は必要ないと思える加速

フロントドアの下部に記される小さな文字を除いて、エントリーグレードだとしても、見た目の違いは最小限。現在の純EVの中でも、最もハンサムなモデルが手に入る。インテリアは、荷室の内側までミニマリストが貫かれる。

シートのクロスは新デザインのものになり、トリムパネルにも新しい3Dテクスチャを得ている。どちらも非常にスマートだ。ポールスターのベジタリアン的な意識は、隅々まで行き届いている。

ポールスター2 スタンダードレンジ・シングルモーター(英国仕様)
ポールスター2 スタンダードレンジ・シングルモーター(英国仕様)

デュアルモーターの2と比べると、最高出力は183psも低くなっているが、むしろ加速の勢いはちょうど良くなった印象。何しろデュアルモーターの方は、首がむち打ちになるのでは、というほど勢いが強かった。

トルク感は速度が上昇しても弱まることがなく、高速道路に適したスピードへも吸い込まれるように加速する。最大トルクは33.5kg-mある。正直、これ以上は必要ないとすら思える。

デュアルモーターの四輪駆動と比較して、シングルモーターによる前輪駆動化による変化は、ステアリングで顕著。フルスロットルで加速すると、明確なトルクステアが生じる。路面のワダチをタイヤが追う以上だ。

フロントタイヤが激しく空転するほどではない。しかし、加速時は集中力を高めた方が良いだろう。

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