【小さいキャブコンで、車中泊】軽トラ・ベースでも広い 軽キャンじゃない選択肢

公開 : 2021.09.03 11:15  更新 : 2021.10.11 11:30

軽キャンピングカーでは小さい。そんな悩みをもつ方に、軽トラック・ベースで8ナンバーのキャブコンを撮影。小さくても、車室を広く取れます。

キャリイを8ナンバーのキャブコンに

執筆:Hidenori Takakuwa(高桑秀典)

キャンピングカーは、小さなボディをアドバンテージとして、ビギナーのエントリーモデルにもなり、ベテランのアガリの1台にもなる。

大別すると、バンタイプをベースとしたものと、軽トラックをベースとしたものが存在しているが、前者は総じて軽キャンパー、後者は軽キャブコンと呼ぶのが一般的。

埼玉県のAZ-MAXが送り出すラクーン・ベンチタイプ(315万1500円)。撮影車両のサイズは、全長3700×全幅1700~1720×全高2500mmだ。
埼玉県のAZ-MAXが送り出すラクーン・ベンチタイプ(315万1500円)。撮影車両のサイズは、全長3700×全幅1700~1720×全高2500mmだ。    AUTOCAR JAPAN編集部

AZ-MAX(オートショップアズマ)がリリースしている「ラクーン」は、軽トラックの荷台に居住スペースを取付け、8ナンバーのキャブコンとした見た目が個性的なモデルだ。

このため、自由度が高い空間づくりが可能になり、室内寸法は、室内長2100×室内幅1530×室内高1700mmと、大人でも過ごしやすい空間を確保している。

ベース車は、スズキ・キャリイ/マツダ・スクラム(5MT・3AT)、もしくはダイハツ・ハイゼット(5MT・4AT)で、前述のように普通特種白ナンバーの8ナンバーキャンピングカー登録となる。

そのボディサイズは、全長3700×全幅1700~1720×全高2500mmとなるので、街中での取回しのよさが自慢だ。

長さ1.9mのベンチシートでキャンプ

軽であることにこだわったバンタイプの軽キャンパーでは、就寝定員2名となるモデルも見かける。

その点ラクーンでは、シートの形状により、ベンチタイプとリアベッドタイプという2種の室内レイアウトを選べるうえ、運転席の上にバンクベッド(長さ1650×幅1540mm)が備わり、就寝定員2+2名を実現。

軽キャンパーではなく、軽トラをベースにした8ナンバー登録のキャブコンとなる。このため、車室の自由度が高まり、室内高は1700mmを確保。
軽キャンパーではなく、軽トラをベースにした8ナンバー登録のキャブコンとなる。このため、車室の自由度が高まり、室内高は1700mmを確保。    AUTOCAR JAPAN編集部

そして、FRP一体成形ボディ(25mm厚の断熱材入り)の専用シェルを装備していることもあり、ベンチタイプは乗車定員が5名で、リアベッドタイプは4名で移動することができる。

2人旅にぴったりの小さなキャブコンだが、子連れのファミリーで利用することもできるのだ。

今回撮影したベンチタイプは、長さ1900mmのゆったりとしたベンチシートを車体右側に備え、反対側のキッチンとテーブルに顔を向けて、くつろいで座ることができる。

リアベッドタイプは、マルチアクションシートを使った対面ダイネットを装備しており、4名でテーブルを囲めるのがポイントだ。

このサイズで、意外に本格キャブコン

両タイプに共通となる標準装備を確認しておこう。

まず、走行面では、オリジナルリア強化リーフスプリング、オリジナル・リアショックを標準で装備する。

オプションの延長ベッドマットを使えば、運転席の上がバンクベッド(長さ1650×幅1540mm)になる。子供なら2名。対角線上に横たわれば、大人1名でも使用できる。
オプションの延長ベッドマットを使えば、運転席の上がバンクベッド(長さ1650×幅1540mm)になる。子供なら2名。対角線上に横たわれば、大人1名でも使用できる。    AUTOCAR JAPAN編集部

内装設備については、FRP一体成形ボディ、前席リクライニング、背面パネルカットウォークスルー、ギャレー+カウンター(10Lタンク2個)、カセットコンロ、床クッションフロア張り、カーテン一式(5面)、助手席後ろ収納(小)、上部収納ボックス(3面)、ギャレー下収納、バンク収納(1650mm×1550mm)、ペアガラス(網戸付き)、カウンターテーブルを標準装備。

電装面では、自動の走行充電システム、サブバッテリー(105A)、AC外部入力電源、LED照明+スポットライト、オリジナルLEDテールランプ、ハイマウントストップランプが、やはり標準で備わる。

FFヒーター、サイドオーニング、バックアイカメラ、ソーラーパネル、インバーター、延長ベッドマットなどはオプションだ。

ラクーンは、軽トラックをベース車としながら大きなバンクベッドを持ち、本格的なキャブコンのような使い方を楽しめる。

撮影車両は、キャリーT(2WD・FR)がベースで価格は315万1500円。オプションを含めると341万3300円。車高が高く設定されているため、車内で窮屈さを感じることはない1台だ。

4WDを選べば、さらに行動範囲が広がるので、予算に応じてチョイスしてみることをオススメする。

記事に関わった人々

  • 高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」

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