850馬力超の3人乗りスーパーカー 英ランザンテ『95-59』初公開 軽量化と空力追求

公開 : 2025.07.14 07:45

英国のランザンテは、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて新型スーパーカー『95-59』を公開しました。マクラーレンF1に敬意を表した3シーターで、価格は約2億3900万円から。59台限定生産。

ベースはマクラーレンのシャシー

英国のランザンテ(Lanzante)は、3人乗りの新型スーパーカー『95-59』を発表した。マクラーレンF1へのオマージュとなる限定生産モデルで、1トンあたり700psという驚異的なパワーウェイトレシオを誇る。

95-59という車名は、ランザンテの運営により1995年のル・マン24時間レースで優勝したマクラーレンF1 GTRの59号車にちなんだものだ。ミドシップに搭載された4.0LツインターボV8エンジンから、最高出力862psと最大トルク89.7kg-mのトルクを発揮する。

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで公開されたランザンテ95-59
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで公開されたランザンテ95-59    AUTOCAR

ベースとなっているのは、P1、720S、セナに使用されているマクラーレンのカーボンファイバー製モノコークシャシーで、ランザンテが3シーター用に改良したものだ。

ボディパネルもカーボンで、オプションのLM30パックを選択すると、鍛造アルミホイール、チタン製マフラー、金メッキのヒートシールドなど、数多くの軽量装備が追加され、車両重量は1250kgに抑えられる。これにより、マクラーレンF1を大きく上回るパワーウェイトレシオを実現した。

95-59は、7速シーケンシャル・トランスミッションを介して862psのパワーを後輪に伝達する。大型の可変ウィングにより、高速走行時やコーナリング時の後輪のグリップを向上させている。

仕様詳細は未発表だが、0-100km/h加速は約2.5秒に達すると予想されている。

「弾丸」のようなサイドシルエット

7月10日に英国で開幕したグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは、95-59の実車が世界で初めて公開された。

デザインは、元マクラーレンのデザイナーであるポール・ハウズ氏が手掛けた。同氏は、P1、570S、720S、アルトゥーラのエクステリアデザインを担当しており、95-59にもマクラーレンらしいデザイン要素が数多く見られる。特にリアデザインにその面影が強く表れている。

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで公開されたランザンテ95-59
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで公開されたランザンテ95-59    AUTOCAR

ハウズ氏によると、空気の流れを制御することで空力特性を高めた結果、側面から見ると「弾丸のような」外観になっているとのことだ。

「他に類を見ない、独自の伝統を築くものを創造できたと思います」とハウズ氏は語っている。

スーパーカーらしく、ディヘドラルドアが採用されている点も特徴だ。

車内の中央に運転席が配置され、コックピットのディスプレイには重要な情報のみが表示される。2つの助手席は、運転席の左右にオフセット配置されている。

創業者のディーン・ランザンテ氏は95-59について、「わたしが個人的に、また当社が企業として、ル・マンで優勝してから30年以上にわたって学び、経験してきたすべての成果の結晶」だと述べている。

95-59は59台のみ生産される予定で、価格は120万ポンド(約2億3900万円、英国VAT込み)だ。

記事に関わった人々

  • フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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