日産 内田誠CEOにインタビュー アライアンスの利点、自動運転開発は?

公開 : 2021.11.13 06:05

英AUTOCAR編集部が日産の内田CEOへインタビュー。モビリティビジネスや自動運転について聞きました。

逆境からの立て直しを図る日産

内田誠氏が日産自動車のCEOに就任してから、12月で2年が経とうとしている。就任当時の日産は、カルロス・ゴーンに関する事件に加え、前任者の事業拡大戦略の失敗により、過去20年間で最悪の損失を出してしまっていた。

内田氏は、大規模な組織再編計画を実施し、今年中に日産を黒字化しようとしている。現在、リーフに代わる新型クロスオーバーをはじめ、電動化モデルの拡大に向けて準備を進めている。

日産自動車の内田誠CEO
日産自動車の内田誠CEO

英AUTOCAR編集部は、最近英国を訪問した内田氏に初めて話を聞いた。

アライアンスのメリットとビジネス

――ルノー・日産・三菱アライアンスの将来に疑問はありませんか?

「アライアンスは、わたし達がともに多くの経験を積んできたものです。わたしがCEOに就任したとき、何がどのように変わっていくのだろうと考えました」

日産リーフは、2025年頃に新型の電動クロスオーバー車に置き換わる見込み。
日産リーフは、2025年頃に新型の電動クロスオーバー車に置き換わる見込み。

「わたし達はお互いの技術を利用しており、規模や費用対効果を最大化する方法を検討しています。例えば、日産はルノーと同じ仕様のバッテリーを持っています。そうすることで、費用対効果と数量を享受することができます。3つのブランドにおいて、これは本当に重要なことです」

「このように、アライアンスはグローバルにお互いの資産を活用し、それぞれの会社を成長させています。(アライアンスの将来について)社内で議論することは一切ありません。嘘ではなく、アライアンスがそれぞれのブランドをどのように成長させることができるかということに集中しているのです」

――固体電池は、いつも数年先のことのように思えます。いつになったら、長い間期待されていた電池技術のブレークスルーが実現するのでしょうか?

「コバルトを使わない電池が登場します。その先にあるのが固体電池です。わたし達は非常に高い(コスト)競争力を持つことになるでしょう。それができなければ生き残れないからです」

――モビリティ企業としてビジネスを成立させることはできるのでしょうか?

「市場によって異なります。中国ではカーシェアリングが主流ですが、日本や他の地域ではそうではありません。日本では、ある都市で(モビリティサービスの)実験をしており、将来的にはそれを拡大していくつもりです」

「それがビジネスになるかどうかについては、まだ道半ばですから、すぐにはできません。わたし達は、そうしたソリューションで社会にどう貢献できるかを考えています」

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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