レクサスNX新型 推しの「Fスポーツ」は? NX350が持つ、他とは違う美点

公開 : 2022.01.20 19:45

レクサスNXには、3つの「Fスポーツ」が存在。最も魅力的なのは、新開発2.4Lターボ車「NX350」とレポートされています。なぜなのでしょう。

新型NXに、3つのFスポーツ

新型になったNXのパワートレインは、PHV、HV、ガソリン(内燃機駆動)車に大別され、試乗した「NX350 Fスポーツ」はガソリン車の最上級仕様。

もっとも、Fスポーツ以外のガソリン車はNA 2.5LのNX250のみの設定であり、NX350はFスポーツのために設定されたグレードとなる。

レクサスNX350 Fスポーツ(ヒートブルーコントラストレイヤリング)
レクサスNX350 Fスポーツ(ヒートブルーコントラストレイヤリング)

Fスポーツはサス周りの補強や電子制御ダンパーなどを採用したスポーツグレードであり、レクサス車のダイナミズムの象徴として設定される。

NXでは、「F」を冠するには動力性能不足のためか、ベーシックとなるNX250系には設定されず、代わって動力性能を強化したNX350をFスポーツ専用に置いたと考えていい。

搭載エンジンは新開発の2.4Lターボ。型式的には新設エンジンであり、高性能型ダイナミックフォースエンジンと捉えていいだろう。

先代NXが搭載した8AR型はボア×ストロークがスクエアだが、新型のT24A型はロングストロークを採用。

43.8kg-mの最大トルクを1700~3600回転で発生するダウンサイジングターボの特徴を備えながら279psの最高出力を得ている。

NXのFスポーツは、他にハイブリッドのNX350h、PHVのNX450h+という3モデルに設定。NX350は、その中では価格面のエントリーモデルだが、高性能プレミアムSUVを求めるユーザーには280ps級ターボ搭載のNX350は見逃せない。

アクセルON 2つの美点

試乗して最も印象的だったのは品のよさである。

もちろん、静々とか悠々と走らせてではなく、それらも含めての全般的な印象である。

レクサスNX350 Fスポーツの前席内装(内装色:Fスポーツ専用フレアレッド)
レクサスNX350 Fスポーツの前席内装(内装色:Fスポーツ専用フレアレッド)

最大トルクの発生回転数から分かるように、T24A-FTSは実用域から大きなトルクを発生する。

新型から採用された8速ATの効果もあって、エコモードでは巡航2000rpm以下、緩加速および登坂で1段ダウンシフトするかどうかといった変速制御。

その回転域でも踏み込み時の反応はよく、ペダルコントロールにいい感じで追従する。エンジン回転数が低く安定しているので、ハイブリッド車のエンジン稼働時よりも余力を感じるほどだ。

踏み込み深めで、ちょっと元気よく走らせる。

低いギアでの全開加速等々を試してみたが、レブリミットまでムラなく伸びやかな加速を示した。

1つはエンジンフィールのよさ。100mm近いロングストローク設計ながら高回転でも息苦しさや重苦しさを感じさせる振動騒音は皆無。

もう1つはコントロール性のよさで、回転域や踏み込み量で苦手な領域がない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    川島茂夫

    Shigeo Kawashima

    1956年生まれ。子どものころから航空機を筆頭とした乗り物や機械好き。プラモデルからエンジン模型飛行機へと進み、その延長でスロットレーシングを軸にした交友関係から自動車専門誌業界へ。寄稿していた編集部の勧めもあって大学卒業と同時に自動車評論家として自立。「機械の中に刻み込まれたメッセージの解読こそ自動車評論の醍醐味だ!」と思っている。
  • 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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