トヨタ・ノア/ヴォクシー比較 歴代テレビCMにみるそれぞれの「世界観」

公開 : 2022.01.21 05:45

新型ノア/ヴォクシーが話題です。歴代テレビCMを題材に、両者の異なる世界観を比較します。

異なる2つの世界観

トヨタから、第4世代となる新型「ノア」と「ヴォクシー」が、2022年1月13日より発売となった。

「ノア」と「ヴォクシー」は兄弟車であり、その違いはデザインにある。

新型トヨタ・ヴォクシー
新型トヨタ・ヴォクシー

新型「ノア」のデザインは「堂々、モダン、上質」と「王道、アグレッシブ」がキーワードとなり、「ヴォクシー」は「先鋭、独創」をキーワードにしているという。

では、過去のモデルにおいては、「ノア」と「ヴォクシー」は、どのような違いがあったのか。

その特徴を知るためにヒントとなるのがテレビCMだ。

なんといっても、売り手の方から手間暇お金をかけて作ったCMこそ、最も商品のアピールしたい部分が表現されているからだ。

初代 ノアが「王道」

まずは、2001年に誕生した初代の「ノア」と「ヴォクシー」のCMから振り返ってみよう。

初代「ノア」のCMのキャッチコピーは「ノアなら、かなう夢がある」というもの。

トヨタ・ノア(初代)
トヨタ・ノア(初代)    トヨタ

スティービー・ワンダー氏のウキウキとしたアップテンポの曲をバックに、昆虫サイズまで小さくなったノアに乗った家族が、蝶やハリネズミなどと遊ぶという、ファンタジー感あふれる内容だ。

夫婦役を務めるのは筧利夫氏と水野真紀氏。コミカルかつ、高感度の高い2人だ。

家族で楽しくドライブしようというメッセージが感じられる。まさにファミリーカーの王道といった雰囲気のCMだ。

一方、「ヴォクシー」はどうかといえば、ビートの強調されたロック調の音楽をバックに、ミュージシャンである若きトータス松本氏がお父さん役として登場。

「I am a father」、「親がカッコわるくって、どうする?」とのキャッチコピーが躍る。

また、2003年ごろには、反町隆史氏がCMに登場して、「俺には、キミをカッコよくする義務がある。」、「VOXY COOL」と謳うCMも。

もちろんバックの音楽はロックであった。

お父さんになっても、カッコよくありたいという人へ向けたのが「ヴォクシー」ということなのだろう。

2代目 ヴォクシーは硬派に

そして2007年に2代目の「ノア」と「ヴォクシー」が誕生する。

「ノア」のCMに登場したのは酒井法子氏。

トヨタ・ヴォクシー(2代目)
トヨタ・ヴォクシー(2代目)    トヨタ

歌は1990年代にヒットしたWANDSの「世界中の誰よりきっと」を謳うのも酒井法子氏だ。

野原で子供のほっぺたにキスをする酒井氏にあわせて「家族は恋人」のキャッチコピーが示される。

幸せな家族のためのクルマが「ノア」ということだろう。

そして「ヴォクシー」は、布袋寅泰氏、反町隆史氏、浅野忠信氏という野趣あふれる男3人。

もちろん流れる音楽はロック。キャッチコピーは「あなたはもっと刺激的な存在になれる」というもの。

とてもミニバンのCMには見えない、硬派な雰囲気を生み出している。

また、初代同様に後期になると反町隆史が「父になろう。」と登場し、息子と2人でドライブする「男旅」バージョンも登場。

「ノア」とは異なる、カッコよさを追求する姿勢を見せる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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