レクサスNX新型 推しの「Fスポーツ」は? NX350が持つ、他とは違う美点

公開 : 2022.01.20 19:45

FスポーツのNX どこが違う?

悪く言えば優等生過ぎて癖を御するような乗りこなし・楽しみとか昂揚感が少々希薄なのだが、運転する手応えと洗練感のバランスがとてもいい。

良質なファントゥドライブと、心地よいツーリングを、高水準でまとめ上げたドライバビリティである。

レクサスNX350 Fスポーツ(ヒートブルーコントラストレイヤリング)
レクサスNX350 Fスポーツ(ヒートブルーコントラストレイヤリング)

NX250系のFF/4WDからNX450h+まで試乗してみたが、基本となる操縦性はほぼ共通していた。

穏やかな回頭性とやや深めの舵角で追従のいいラインコントロール性を幅広い速度域で維持。路面うねりなどの接地荷重変化に対しても、方向性の乱れは極めて少ない。

基本特性は同様でも、操縦感覚はFスポーツが締まっている。

ただ、味が鋭いというより、制御の輪郭が明確な感じ。この傾向はFスポーツの中でもNX350が最も強い。

フットワークのよさ なぜ?

挙動は動き出しから収束まで緩みなく連続的であり、操舵や加減速に神経質になる必要はない。

付け加えるなら電子制御サスの標準モードと、スポーツSプラスのハードモードでも、操縦感覚はさほど変化しない。

レクサスNX350 Fスポーツの後席内装(内装色:Fスポーツ専用フレアレッド)
レクサスNX350 Fスポーツの後席内装(内装色:Fスポーツ専用フレアレッド)

ハードモードは、限界走行を除けば、中立点から締めてスポーツ感覚を強めるモードの印象が濃い。粗暴なところが皆無なので、肩肘張らずに楽しめる。

NX350 Fスポーツのフットワークの纏まりのよさは電子制御カップリングの締結力ゼロ、つまりFF状態にならない電子制御4WDシステムの採用も影響している。

前後車軸の回転同期性が保たれ、タイヤを含む駆動系には大小の差があっても常に負荷が掛かっている。結果、Fスポーツでも揺れ返しなどの揺動が極めて少なく、挙動収束も向上。

加えてタイヤやブッシュなどの弾性成分と車重やサスチューンの相性もよく、車体骨格からタイヤまでが一体となって動いているよう感覚があり、操り心地・乗り心地の質感を高めていた。

同じ「F」でも異なるツボ

ドアノブに手を掛けて内側のスイッチを指先で軽く押すだけで開放されるドアラッチ、歩行者/自転車/駐車車両回避のための操舵減速支援などの最新安全機能、スマホを用いて車外から駐車・出庫をリモコン操作できる駐車支援システム、タッチトレーサー式ステアリングスイッチのアンサーバックなど、未消化な部分もあるものの、肌身感覚の使い勝手向上から先端運転支援までテンコ盛りがレクサスの最新モデルらしく、乗る人に優しく実践的なのがNXらしい。

それはFスポーツでも変わらず、悪路重視のユーザーはともかく、多方向にバランスの取れたモデルである。

実用面で汎用性の高いミドルSUV。そこでプレミアム&スポーティにこだわってのNX Fスポーツ。

時代の流れに沿うならばエコ性能に優れたハイブリッド系から選ぶのが順当。NXのキャラからしてNX350h系がウェルバランスとも言える。

ただ、NX350h Fスポーツ AWD対比でWLTC総合モード燃費は7.7km/L減だが、1.8t級SUVのターボ車で12.2km/Lを達成したのはかなり高く評価できる。

同対比で価格は36万円安。燃費と時代性かコスパかは悩ましいところだが、Fスポーツで走りにこだわるならNX350が最も魅力的に感じられた。

走りへのこだわりが他のFスポーツよりも深い、そう感じさせるものが確かにあるのだ。良質なツーリング&ファントゥドライブを求めてFスポーツを狙うなら、NX350は最良の選択だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    川島茂夫

    Shigeo Kawashima

    1956年生まれ。子どものころから航空機を筆頭とした乗り物や機械好き。プラモデルからエンジン模型飛行機へと進み、その延長でスロットレーシングを軸にした交友関係から自動車専門誌業界へ。寄稿していた編集部の勧めもあって大学卒業と同時に自動車評論家として自立。「機械の中に刻み込まれたメッセージの解読こそ自動車評論の醍醐味だ!」と思っている。
  • 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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