隠れ人気のMPVが一新 BMW 2シリーズ・アクティブツアラー 223iへ試乗 2代目へ

公開 : 2022.03.01 08:25

BMWのMPV、アクティブツアラーが2代目へモデルチェンジ。従来以上の実用性や洗練性を備えると、英国編集部は評価します。

純EVのiXへ通じるインテリアデザイン

BMWのMPV、アクティブツアラーは、ブランドの古くからのファンには刺さらないクルマかもしれない。それでも初代は、8年間のモデルライフを通じて約43万台を世界中で売り上げた。これだけの支持だから、2代目への進化も当然だった。

クルマの構成やデザインが初代に通じることも、その人気を考えれば理解できる。だが、シャープになったディティールの処理や、張りのある面構成には新鮮味もある。従来以上に、空力特性にも優れていると想像できる。

BMW 2シリーズ・アクティブツアラー 223i(欧州仕様)
BMW 2シリーズ・アクティブツアラー 223i(欧州仕様)

2代目アクティブツアラーのボディサイズは、全長4386mm、全幅1824mm、全高1576mm。1シリーズのハッチバックと比べると、67mm長く、25mm広く、142mm高い。

背の高いプロポーションに大きく開くドアを備え、クルマへの乗り降りは非常にしやすい。リアシート側も同様だ。

インテリアには、BMWの純EVでフラッグシップを務める、iXへ通じるデザインが展開されている。特にメーターパネルで10.3インチ、iドライブ・インフォテインメント用で10.7インチのモニターが2面続いたパネルは、緩やかに湾曲し高級感がある。

扱いやすいと感じていた、iドライブのローターリー・コントローラーはなくなった。車載機能の殆どは、タッチモニターを介して操作することになる。

フロントシート間で宙に浮いたセンターコンソール部分には、シフトセレクターと電動パーキングブレーキのボタンが配される。フロア側のコンソールには、カップホルダーと便利そうな収納ボックスが大きく口を開ける。ドア・ポケットも大きい。

回頭性に優れ、低速域で運転しやすい

運転席の座面は、ハッチバックの1シリーズより120mm高いとのこと。前方視界に優れ、側方や後方の視認性も良好。混雑した市街地でも運転しやすい。

新しいアクティブツアラーの長所が、内燃エンジン・モデルとしては巧みな車内パッケージング。従来以上に乗員空間が広げられただけでなく、リアシートを前方へスライドすれば、470Lの荷室が得られる。ちなみに、1シリーズより90Lも広い。

当初提供されるモデルグレードは市場で異なるが、218iと220i、223i、218d、225e xドライブ、230e xドライブという7種類。今回試乗したのは220iと223iで、どちらも2.0L 4気筒ターボに、電圧48Vのハイブリッドが組み合わされる。

トランスミッションは、グレードを問わず新しい7速デュアルクラッチ・オートマティックのみ。223iは、オプションで四輪駆動にもできる。

筆者が223iを運転した率直な印象は、回頭性に優れ、特に低速域で運転しやすいというもの。充分に正確な操縦性を備えている。

ガソリンターボ・エンジンにも大幅な改良が施されており、19psのハイブリッド・モーターが搭載され、システム総合での最高出力は218ps、最大トルクは36.5kg-mを発揮する。とてもスムーズで、意欲的にアクティブツアラーを走らせてくれる。

回転数を高めても、ライバルのユニットより静か。吹け上がりもイイ。デュアルクラッチATは、素早く滑らかに変速をこなす。

BMWによれば、0-100km/h加速の時間は7.0秒だという。燃費は、WLTP値で15.2km/Lから16.7km/Lというもの。サイズを考えれば悪くない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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