技術力が光るPHEVの調律 BMW 2シリーズ・アクティブツアラー 225eへ試乗 好感触な246ps

公開 : 2022.11.23 08:25

優れた実用性と洗練性が魅力のアクティブツアラー。少しノッポなファミリー・ハッチバックを英国編集部が評価しました。

最高総合246psのプラグイン・ハイブリッド

2代目へ生まれ変わった新型2シリーズ・アクティブツアラーへは、既に2022年の春に試乗している。今回ご紹介するのは、そのプラグイン・ハイブリッド(PHEV)版となる。

前回の試乗で、2シリーズ・アクティブツアラーの好感触ぶりは確かめている。運転に惹き込まれるようなドライバーズカーではないものの、前輪駆動で背の高い実用性に長けたファミリー・ハッチバックといえる。

BMW 2シリーズ・アクティブツアラー 225e xドライブ Mスポーツ(英国仕様)
BMW 2シリーズ・アクティブツアラー 225e xドライブ Mスポーツ(英国仕様)

古くからのBMWファンの気持ちには、そぐわないかもしれない。それでも全長4386mm、全幅1824mm、全高1576mmというボディサイズに、家族持ちがうれしいゆとりある車内空間を実現している。英国でも販売は好調だ。

この225e xドライブの場合は、リアアクスル側に109psの駆動用モーターを搭載。EVモード時は14.2kWhの駆動用バッテリーによる電力で、最長90kmをエンジンへ頼らず走行できる。この距離は、先代の同等モデルで主張されていた51.5kmを大幅に超えている。

駆動用バッテリーは、最大7.4kWで充電が可能。こちらも先代の3.7kWから2倍へ増えており、英国の家庭用充電器なら2時間半で満充電にできる。

フロントに搭載されるのは、1.5Lの3気筒ガソリンターボ・エンジン。7速デュアルクラッチATを介して、前輪を駆動する。この最高出力は137psがうたわれており、駆動用モーターを組み合わせたシステム総合での最高出力は246psある。

BMWの技術力が光るドライブトレインの調律

モーターとエンジンが組み合わされる複雑なPHEVだが、使い勝手を左右する要素の1つがその調律具合。225eでは、BMWの技術力がキラリと光る。

日常的な環境で運転している限り、3気筒エンジンが低い回転域からパワーを高めるまでの間、駆動用モーターがトルクをアシスト。追い越しなどの全力ダッシュ時にも、明確に効果を体験できる。

BMW 2シリーズ・アクティブツアラー 225e xドライブ Mスポーツ(英国仕様)
BMW 2シリーズ・アクティブツアラー 225e xドライブ Mスポーツ(英国仕様)

たとえ駆動用バッテリーの残量が空になっても、システムは積極的にEVモードで走ろうと務めてくれる。メカニズムが複雑に働いていても至って走りはスムーズで、ドライバーがそれを感知することは殆どない。

ガソリンエンジン自体も非常に静かで、市街地を走っていると始動しても気付かないほど。効率的でもあり、駆動用バッテリーの残量がほぼない状態でも、燃費は18.0km/Lを超える時すらあった。

巧妙なPHEVを搭載しつつ、2シリーズ・アクティブツアラー本来の強みは変わらず。駆動用バッテリーなどが追加され荷室は多少狭められ、容量は415Lから380Lになるが、それ以外の車内空間への影響はない。

フロントシート側はゆとりの空間で、前後とも大きく開くドアで乗り降りしやすい。ちなみに、パワー・テールゲートは標準装備される。

車内はBMWとしては明るく開放的。反面、ドライバーを包み込むような雰囲気とはいえない。センターコンソールは高い位置に浮いたように設えられ、その下には大きな小物入れ用トレイがある。ダッシュボードから離れているため、横方向の広がり感もある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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