ぶっ飛んだコンセプトカー 54選 後編 才能を持て余した技術者の遊び?

公開 : 2022.04.17 06:06  更新 : 2022.04.18 10:56

プジョー・ホッガー(2004年)

エンジンを2基搭載した市販車を挙げろと言われても、そう簡単には答えられないだろう。プジョーがこのクルマで何をしたかったのかは不明だ。最高出力182psの2.2Lディーゼルエンジン2基を搭載する四輪駆動車で、ルーフレス。果たしてどこで使えというのだろうか。

プジョー・ホッガー(2004年)
プジョー・ホッガー(2004年)

フィアット・オルトレ(2005年)

オルトレが発表されたとき、フィアットは倒産の危機に瀕していたが、これを見ればそれも当然だろう。小型車で有名なフィアットが、ハマーに勝とうとしていたのだから。そして、ハマーがどうなったかは、周知の通りである。

フィアット・オルトレ(2005年)
フィアット・オルトレ(2005年)

メルセデス・バイオニックカー(2005年)

魚は流体力学的に優れており、色鮮やかで美しい種も多い。しかし、その中でもハコフグは、自然が作り出した最も「ぶちゃいく」な生き物かもしれない。メルセデスがバイオニックカーのモチーフにしたのは……?

メルセデス・バイオニックカー(2005年)
メルセデス・バイオニックカー(2005年)

日産ピボ(2005年)

恐ろしいほどの複雑さを持つクルマ。日産のエンジニアは、現代のクルマで見慣れた要素をすべて取り除き、最大限のコストをかけて再設計。キャビンが360度回転するという、経済的に成立しないクルマを完成させたのだ。

日産ピボ(2005年)
日産ピボ(2005年)

プジョー・ムーヴィー(2005年)

デザイナーのアンドレ・コスタが、機動力に長けた環境に優しい小型車と称し、実物大のムーヴィーを製作した。なぜかプジョーは販売に踏み切らなかった。

プジョー・ムーヴィー(2005年)
プジョー・ムーヴィー(2005年)

リンズスピード・センソ(2005年)

センソは、ドライバーの脈拍や運転行動を考慮し、音楽、室内照明、フレグランスまで調整してくれる。イライラしているドライバーを和ませたり、疲れている乗員を元気づけたりすることができるのだ。なんて気が利くんだろう。

リンズスピード・センソ(2005年)
リンズスピード・センソ(2005年)

トヨタ・アイゴDJ(2005年)

車内オーディオにこだわる人は多いだろう。デッドニングやサブウーファーなどに手間暇をかけ、理想の環境を作ろうとする。しかし、アイゴDJは次元が違う。クルマというより音楽マシンだ。

欧州で販売される小型車のアイゴを、モバイルDJミキシングデスクとして再設計。音楽を作るには最適だが、A地点からB地点への移動には向いていない。

トヨタ・アイゴDJ(2005年)
トヨタ・アイゴDJ(2005年)

ベンチュリー・エクレティック(2006年)

エクレクティックは、ソーラーパネルと風力発電機を内蔵し、電力を自給自足するという、現実からかけ離れたコンセプトのモデルだ。エクレクティック(eclectic)とは、「さまざまな要素を含んだ」という意味で、コンセプトに合った車名と言える。しかし、残念ながら、実用に耐えるほどの発電量は得られなかった。

ベンチュリー・エクレティック(2006年)
ベンチュリー・エクレティック(2006年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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