ボルボV90リチャージ・プラグインハイブリッドT8 AWDインスクリプション試乗 正統派ボルボのマナー

公開 : 2022.06.03 05:45  更新 : 2022.06.03 16:48

ワゴンこそボルボの正統派

東名高速に入ってペースが上がりエンジンが介入しはじめても、V90リチャージ・プラグインハイブリッドT8 AWDの静けさは変わらない。

2130kgという重めの車重は、しっとりとした乗り心地を生み出しているだけでネガティブな印象はない。

ボルボV90リチャージ・プラグインハイブリッドT8 AWDインスクリプション
ボルボV90リチャージ・プラグインハイブリッドT8 AWDインスクリプション    宮澤佳久

深くスロットルを踏み込むとT8らしい462psの合計出力が炸裂するが、ターボの谷間をモーターが埋めている感じで、マナーの良さは変わらない。

今回の100kmほどの試乗で最も感心させられたのは、VEM(ビークル・エネルギー・マネージメント)という機能だった。

ナビで行く先をセットすると、PHEVのエネルギー消費を予測し最適化してくれる機能で、目的地に着いたときにきっちり電力を使い切ってくれる。

とばして走ったらガソリンばかり減って電力が余っていたといったことがないのだ。

またパワートレイン以外にもう1つ、インフォテインメントがこれまでのSENSUSからグーグルインフォテインメントに変わったことも使い勝手に変化をもたらしている。

コンソールの表示もより直感的なものに代わり、音声認識やナビの精度も向上していた。

今回はV90と同時にやはりパワートレインが刷新されたV60にも試乗したのだが、個人的にはV90の印象が良かった。

余裕のある室内空間や落ち着きをはらった走行マナーが、740とか960といった角ばった往年のボルボ・ワゴンを彷彿とさせるからかもしれない。

今どきのクロスオーバーモデルも魅力的だがボルボといったらやっぱりステーションワゴン! 

いまだにそう信じているアラフィフ以上のクルマ好きにとって、着実に電動化が進んだV90シリーズのトップモデルは最高の選択肢に違いない。

ボルボV90リチャージ・プラグインハイブリッドT8 AWDインスクリプションのスペック

価格:1054万円
全長:4945mm
全幅:1890mm
全高:1475mm
ホイールベース:2940mm
車両重量:2130kg
パワートレイン:直列4気筒1968cc+モーター
最高出力:318ps/6000rpm
最大トルク:40.8kg-m/2200-5400rpm
最高出力(モーター):52kW(71ps)/3000-4500rpm(前)+107kW(145ps)/3280-15900rpm(後)
最大トルク(モーター):16.8kg-m/0-3000rpm(前)+31.5kg-m/0-3280rpm(後)
充電電力使用時走行距離:75km
ギアボックス:電子制御前進8速オートマティック

ボルボV90リチャージ・プラグインハイブリッドT8 AWDインスクリプション
ボルボV90リチャージ・プラグインハイブリッドT8 AWDインスクリプション    宮澤佳久

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。

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