Juju(野田樹潤)ブログ

2021.05.19

Juju(野田樹潤)の2021年シーズン、デンマークF4の第1戦をくわしく振り返ります。滑り出し上々!

【Juju(野田樹潤)ブログ】第53話:デンマークF4開幕 滑り出しは上々です!

もくじ

予選2位 でも今年はちょっと違う
無理せず2位を確保のワケ
事件は開幕ラウンド最終レース直前に
昨シーズンと違う 2021年の考え方

予選2位 でも今年はちょっと違う

わたしにとっての2021シーズン初レース、デンマークF4選手権の開幕戦(5月15〜16日)が終わりました。

シーズン前はちょっとバタバタしましたが、デンマークのF4は2シーズン目だし、コースもわかっているので、少し気持ちに余裕がありました。

開幕戦の舞台はパドボーグ・パーク。NODAレーシングはこのサーキット内にガレージを借りているので、デンマークにおける本拠地みたいなものですね。

今みじかい期間の契約で借りている家もサーキットの近くにあります。

さて予選です。去年ポールポジションを取っているので自信はあったのですが、タイミングが合わず2位。

セッションの後半に少し雨が落ちてきてしまい、前日の練習走行で出したタイムを越えられませんでした。

もちろん悔しいです!

でもね、今年のわたしはちょっと違うんです。

去年はチャンピオンシップでどれだけ戦えるかわからないまま開幕戦に挑んで、ポールから優勝できて「よーし、いける」ってなった。

でもそこからはキツくマークされてしまって、当てられちゃったりという展開でした。

今年はトップのタイムを出せることはわかっているので、じゃあ冷静にチャンピオンシップを取りに行こうと。

監督とも開幕戦に向けて、そういう話をしてきました。そう考えれば、予選フロントローは悪くないわけです。

無理せず2位を確保のワケ

開幕のポールはマッズ・フー選手。昨年も1勝している彼のマシンはF5(フォーミュラ・フォード)なんです。

写真右側が、マッズ・フー選手のフォーミュラ・フォード。タイヤの太さが異なる。 写真:FORMULA SCOUT Boxengasse Media – Motorsport Photo & PR

F5はわたしがドライブしているF4と比べるとタイヤが細く、温まるのが早いので、レースの前半はF5が速くて、後半になってタイヤが温まるとF4の方が速いという傾向があります。

しかもデンマークは5月になっても気温1けた台の寒さなので、F5の方が予選でもポンッとタイムを出しやすいみたい。

さらにチャンピオンシップポイントがマシンの違いに関係なく与えられるという部分も、デンマークF4の変わっているところかも。

話がややこしいんですよ(笑)

1レース目はドライ・コンディションでおこなわれました。

わたしはスタート後の1コーナーでトップに立ちたかったのですが、その望みは叶わず2番手でフー選手を追う展開に。

フー選手は予想通りレース前半が速く、すぐに3秒ほど差を付けられてしまいました。

でもタイヤが温まってからはわたしのペースも上がり、ファステストラップ(しかもコースレコードでした!)も記録しながら1秒差まで追い上げましたが、ここで監督から無線で「無理してタイヤを使わないように」という指示が来ました。

もしコースが乾いていれば、1セットのドライタイヤで今回の3レースを走らなくてはいけない。

だから最初のレースでもし勝ったとしてもタイヤを傷めてしまうと、後が辛いわけです。

しかもフー選手はわたしが横に並びかけようものなら、かなり露骨にブロックしてきますから、それも気を付けなければいけない。

無理せず2位を確保、という結果になったのです。

記事に関わった人々

  • 執筆

    Juju(野田樹潤)

    Juju Noda

    2006年生まれ。3歳でカートを始める。経験を積み、9歳で最年少デビューを果たしたFIA-F4マシンでは11歳で「U-17大会」に出場。2018年にはF3マシンに挑戦し、2020年はデンマークF4参戦デビューウィン。2021年はアメリカF4 USとデンマークF4。2022年は「Wシリーズ」ドライバーオブザイヤーを獲得。2023年に獲得したユーロフォーミュラのウィナー、ZinoxF2000のチャンピオンはいずれも女性初。2024年日本最高峰レースのスーパーフォーミュラに史上最年少、日本人女性初のデビューを果たす。目標は「日本人初の女性F1/フォーミュラEのドライバーになって、チャンピオンになること」。2024年8月、FORBES JAPAN 30 UNDER 30 2024「世界を変える30歳未満」30人に選出された。
  • 編集

    上野太朗

    Taro Ueno

    1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測というエリート・コース(?)を歩む。学生時代はボルボ940→アルファ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ156→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かす。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。
 
 

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