社会人1年目、ポルシェを買う。

2021.07.28

【社会人1年目、ポルシェを買う。】第134話:練習号(ロードスター)にロールケージ。

エンターテインメント

装着当日、僕のクルマの場合は主に
・ロールケージへスポンジ巻きつけ
・ロールケージ装着の為の車体加工
・ロールケージ装着&仕上げ
という3つのメニューを6時間で完結。

鉄パイプを曲げていく作業はもちろん
保護材の巻きつけも1つずつ手作業。

保護材は鉄棒の周囲を覆って接着するが、
その接着部分は目に見えない角度/位置。
たとえばAピラーのパイプの接合部ならば
運転席からが見えぬピラー側で接合する。

ロールケージの装着は、
位置決めを完ぺきにするため、
(たんにボルトオンではなく、
 ぴったりと車内に沿うように組み込む)
かなりの時間を要すのだけれど、
1秒たりとも見ていて飽きることがない。

Aピラー周辺においては、
Aピラーとロールケージの間の隙間は
文字通り隙間が1mmも存在しない。

「時々Aピラーとバーの間が
 スカスカのクルマがあるじゃない。
 ひっくり返った時に守ってくれるけど
 剛性という観点では意味がないから。
 車体とピタッとくっついて初めて、
 体幹が強くなるわけなんだ」
と仰るのは社長だ。

「もう1つ言うけれど、
 剛性と剛性感って別物だからね。
 たとえば前後タワーバーをつけると
 カチッと引き締まる感じがするけど
 あくまで車体のコアな部分を
 ぴっちり車体とくっつけた状態で
 ケージを組むことのほうが
 剛性感ではない『剛性』は高まる」

Aピラーから下におりていって、
アクセルペダル脇で接合する際の
フロアマットの加工にも感動した。
ふつうならばマットがめくれるところを
美しく、ロールケージの径でカット。

Bピラーとシートベルトが当たる位置も
カッティングシートで保護してくれた。

それだけではない。

普段見えないカーペット下も
チリ1つ無い状態までクリーニング。

「ケージを着けるだけが仕事じゃなく
 隅々まで完ぺきにすることで
 なんとなくだけどシャキっとするんだよ」
(社長)

やっている作業に1つとして無駄がなく
「神は細部に宿る」という言葉を
改めて実感した。

記事に関わった人々

  • 上野太朗

    Taro Ueno

    1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測というエリート・コース(?)を歩む。学生時代はボルボ940→アルファ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ156→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かす。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。
 
 

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