2021.07.29

【社会人1年目、ポルシェを買う。】第135話:ついにサーキット・デビュー。

もくじ

最初から心臓がバクバク
生きて帰りたい……

最初から心臓がバクバク

photo:Satoshi Kamimura(神村 聖)

ついにこの日がやってきた……。
サーキット初走行の日。
とにかくとにかく怖かった……。

アクセスのしやすさと
度胸ではなく技術重視のコースであること。
大きなサーキットのような負担がクルマにかからないことから選んだ袖ヶ浦フォレストレースウェイに着いたのは早朝のことだった。

ウエットの方がクルマの負担が小さく、
滑り出してからの挙動をつかみやすいため
できるかぎり雨の日を狙って選んだこの日
とはいえ、いやー、雨は嫌だな……。
いきなり気持ちが暗くなる。

ライセンス取得のための講義から
もう心臓はバクバクしていた。

ライセンス講習の受講風景。

ライセンス受講者は列をなして
先導者についてゆくコース体験を終え
お昼ごはんのカツカレーを食べた頃には
「これが最後の食事になるかも……」
なんて大げさではなく本当に考えた。

この日は別のロケがあり、
会社のメンバーや写真家さんがいた。
「盛大なクラッシュ期待してるぜ!」
冗談を笑う余裕がまったくないほどに
どんより暗い気持ちになっていた。
初のサーキット走行だというのに!

生きて帰りたい……

いざ初走行の時間。
吉田拓生(たくお)さんの移動車である
BMW 3シリーズ・コンパクトが先導車。

「サーキットで走るならば
 1人でがむしゃらに100周走るより
 教えてもらう5周のほうが
 確実にレベルアップするよ」
という拓生さんの言葉により
弟子入り(?)させていただいた。

イヤホンを耳に繋いで、
拓生さんの声が届く仕組みをとった。

ヘルメットをつけると
視界が一気に狭くなる。
閉鎖感で心細くなる。孤独。

シートベルトのバックルが見えないし
さらにグローブをつけると
コース入口で係の方に渡すチケットが
ドアの小物入れから取れないし……。

軽いパニックに襲われる。

気を取り直して2枠(30分×2本)走行。

滝のような大雨。
最終コーナーやその手前に川。
他のクルマが盛大に跳ね上げる水。
ぐちゃぐちゃの状況だったけれど
周回を重ねると
「ここはがんばらなくていい」
「ここはちょっと力を込めても
 失敗できるゆとりがあるぞ」
「ここ(4コーナー)は苦手だな」
などと手応えがでてくる。

広いコースのどこを走ればいいか
最大スピードではないもののわかった。

またサーキットの広いコース
そしてふだんより高い速度域では
ブレーキングすると車体がどう沈み込み
横Gがかかると車体がどう倒れ
出口の加速にどうむかっていくかが
とてもよくわかった。

これだけでも収穫?

走行を終えた頃、
いつの間にか雨はやみ黄金色の光が
しっとりした地面を浮かび上がらせた。

なんだこの爽快感は!

撮影:上野太朗

あの瞬間は、気持ちよかったなあ。

引き続きコツコツ走り続けます。

※今回も最後までご覧になってくださり、ありがとうございます。

 ヘルメットは友人でもある
 スーパーGTやスーパー耐久の選手
 川端伸太朗くんのお下がり。

川端伸太朗くん、本当に感謝です。 撮影:上野太朗

 
 レーシングスーツは
 父の15年前のお下がり(新品未使用)
 シューズも4点式シートベルトも
 いただきもので固めた初走行。

撮影:上野太朗

 でもブレーキに違和感……。

 今後とも、[email protected] まで、
 皆さまの声をお聞かせください。
 もちろん、なんでもないメールだって
 お待ちしております。

AUTOCAR JAPAN 編集部 上野太朗

1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測という、いわばエリート・コース(?)を歩む。学生時代はフィアット・バルケッタ→ボルボ940エステート→アルファ・ロメオ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ・ロメオ156(V6)→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かした。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。

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