社会人1年目、ポルシェを買う。

2021.10.20

【社会人1年目、ポルシェを買う。】第139話:カート、はじめます。

言っていることがわからない

ああやっぱり怖いな、そうそう、怖い。
はじめて乗った時の事を思い出す。
だって体はむき出し。シートベルトなし。

そのうえ、言っていることがわからない。
たとえば
「ここは完璧にノーブレーキで
 最初から最後までアクセル踏み抜ける」

え……。

これまで数回、ロードスターでは
いかに適切な位置でブレーキするかを
考えながらサーキット走行していたから
どんなに理屈では理解できていても
アクセルを踏み抜いたまま、
むき出しの体でアクセルを踏んだまま
というのは怖かった。

もう1つ。

クルマがとてもピーキー感じられた。
いや、実際にピーキーだ。

たとえば直線からヘアピンの手前。
ぐーっとブレーキを踏んだだけで
荷重が前に行き過ぎると
クルンっとスピンする。

スピンは初体験だった。
ヘルメットの向こうの風景は
前から後ろに流れるだけだったのに、
一瞬にして右から左に流れる。
カートが後ろを向いて止まったときは
後続マシンが突っ込んできませんように
と祈るしか無かった。
(幸い無事だった)

経験者の後ろを走ったことで

タイムは経験者2名に対して
7秒オチくらいから始まった。
ピットレーンから出てスタートする時は
そんなに離れていないのだけど
コーナーを1つ、また1つと過ごすたびに
ちょっとずつ2人と離れていく。

3周だけ、経験者の真後ろを走った。
思い切りよく走らせる度胸の部分と
荷重の掛け方が違っているとわかった。

前者は慣れの部分と、性格も関係ある。
どんなに着地点が安全だと言われても
いつまで経ってもジャングルジムから
飛び降りれなかった幼少期を思い出す。

いっぽう後者は興味深かった。
右に曲がる時は、体を左後方に倒す。
逆もまたしかり。それだけではない、
ストレート→ヘアピンのコーナーでも
ブレーキを踏みながら体を後ろに倒し
リアの荷重抜け=前荷重=スピン
を防いでいることがわかった。

試しに余裕のある
=Rの大きいコーナーで
体を外側に倒してみた。

すると、
これまでピーキーに動いていたマシンが
グイグイとコーナー内側に向かって進む。

これが左コーナー時、右リアに荷重か!

痛かった手指も楽になった。
これまでかなりステアリングに頼って
コーナーをやり過ごしていたのだろう。

「ブレーキを踏まずに」のコーナーも
怖いものの理解が出来るようになった。
最後はベストラップで経験者の3秒オチ
といったところまで追いつけた。

カート特有の「慣れ」はさておき、
究極にシンプルな四輪車のおかげで
コーナー手前でどんな準備をし
コーナー中に何をおこない
出口を出ていけばいいかが
ロードスターでの練習にも活かせそう!

定期的にカートに乗ってみたいと思った。

最後にむさくるしいセルフィーを(笑) 真ん中が鈴木さん、右が西川さん。

※今回も最後までご覧になってくださり、ありがとうございます。

 練習後、鈴木ケンイチさんから
 カート耐久レース参戦のお誘いが。
 カートでレース……。
 願ってもないチャンスに
 ふたつ返事でお受けしたけど……。

 今後とも、[email protected] まで、
 皆さまの声をお聞かせください。
 もちろん、なんでもないメールだって
 お待ちしております。

記事に関わった人々

  • 執筆

    上野太朗

    Taro Ueno

    1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測というエリート・コース(?)を歩む。学生時代はボルボ940→アルファ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ156→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かす。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。

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