クルマ漬けの毎日から

2026.03.09

イギリスでは、第二次世界大戦までに製造されたクルマは、4つの時代に区分けされています。しかし、戦後のクルマについては、まだ定着した区分けはありません。そこで今回は、戦後のクルマをいくつかの時代に分け、その特徴を探ります。

戦後のクルマを時代別に分類! さあ、何が見えてくる?【クロプリー編集長コラム】

もくじ

戦前のクルマ 4つの時代
戦後のクルマも 区分けしてみよう

戦前のクルマ 4つの時代

かつて熱心な自動車愛好家たちは、第二次世界大戦までに製造されたクルマを年代別に区分けした。だが、なぜ私たちクルマ好きは、戦後から現代のクルマを区分けし、分類する方法をまだ見つけられていないのだろうか?

2024年11月開催の「ロンドン~ブライトン ベテランカーラン」に参加したクロプリー編集長(右)と英国版編集部のマット・プライヤー(左)。この「アルビオンA1」は1902年製造の英国製ベテランカー。

20世紀半ばまでのクルマは、製造年によって次にように分類されている。

ベテラン:1904年12月31日までに製造
エドワーディアン:1905~1918年に製造
ヴィンテージ:1919~1930年に製造
ポストヴィンテージ:1931~1945年に製造

ところで、第二次世界大戦後のクルマも、それぞれ15年ほどの期間で区分けできるのではないだろうか。

戦後のクルマも 区分けしてみよう

まず、1945~1960年は「リバイバル(戦後復興期)」の時代。この時代は、戦後の世の中に「個人的な移動手段を提供すること」が最優先され、戦前モデルとあまり変わらない、冒険心に乏しいクルマがつくられていた。

次に来るのは、1960~1975年の「クラシック」の時代。ジャガーEタイプ、ロータス・エラン、ランドローバー・レンジローバーなど、革新性が認められると同時に、時代を超えた魅力を持つクルマが数多く誕生している。

美しく高性能なスポーツカー「ジャガーEタイプ」がデビューしたのは1961年。時代を超えて愛されるクルマが数多く生まれた1960-1975年の「クラシック」の時代の重要モデル。

これに続く1975~1990年は、規制(restriction)、醜さ(uglification)、立法者(Big Brother)の頭文字をとって、「Rub」と命名したい時代。

当時の排ガス対策は、技術的にまだ荒削りだった。その影響で、エンジンはパワーを失った。また車重が増えたために、美しさも失ってしまった。安全という名のもと、役人たちがお粗末な「設計ルール」を押しつけたからだ。

次の1990~2005年は「モダン・エマンシペーション(現代の解放)」の時代と呼ぼう。

この時代になると、技術の成熟によって安全規制と排ガス規制にうまく対応した、新しい完成度と魅力を持つクルマが登場する。その代表は、フォード・モンデオ、アウディTTである(昨年AUTOCARは、時代を超えて愛される1990年代の魅力的なクルマを特集)。

ところで、2005~2020年のクルマについては、まだ私はその特徴を見極めきれていない。だが、もっと洞察力の優れた人たちが、すでにその定義づけに取り組んでいるだろう。いずれにせよ、この時代のクルマの定義もやがて明らかになるはずだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。
 
 

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