クルマ漬けの毎日から

2026.01.27

前半では、休暇中に運転したベントレーのラグジュアリーセダン「フライングスパー・アズール」について、また後半では、愛車のダチア・ダスターの車検についてお伝えします。

夢のベントレー、愛せるダチア【クロプリー編集長コラム】

もくじ

ベントレーで体験 非日常
ダチア・ダスターの車検

ベントレーで体験 非日常

ベントレー・フライングスパー・アズール(ハイブリッド)をクリスマス休暇に借りたおかげで、我が家では休暇中のさまざまな移動がとても楽しいものになった。価格23万ポンド(約4800万円)のこの現代モデルは、昨年60周年を迎えたオリジナルのTシリーズ(1965年発売)を感じさせる仕様となっている。

フライングスパー・アズールはまさにクラシックなクルマ。つややかなシルバーのボディ、希少な最高級ウォルナットの美しいダッシュボード、ダブルグレー(濃淡2色)の上品な内装、また昔ながらのレザーがふんだんに施されている。

このモデルは、私がこれまでに乗ったベントレーのなかでもっとも静粛性が高く、また乗り心地も最高で、洗練されたベントレーであることはまちがいない。

とはいえ、友人は次のように言って、私の高揚感にいくぶん水を差した。「最新のベントレーなのだから、最高なのは当然だろう?」

ベントレー・フライングスパー・アズール V8パフォーマンス・ハイブリッド(英国仕様)

このベントレーのようなラグジュアリーなクルマに乗る機会があると(年に2回くらい)、自分は本当に最高級の洗練性と乗り心地が大好きだと思い出す。そして数日後には、その素晴らしさにほとんど取り憑かれたような状態になる。

気がつくと、ベントレーに乗ってどこかへ行く口実を考えているのだ。「最初の段差を超えるあの感動」と私が呼んでいる瞬間を、もう一度楽しむために。

その運転で最初に道路の段差が近づいて来るのが見え、そのあとどれほど静かに、また穏やかにその段差を越え、衝撃を吸収するのかを感じる「極上の一瞬」を楽しむのだ。

後輪操舵が可能なことから、この大型車には小型サルーンの軽快感が与えられている。また扁平率30%の全天候型タイヤを履いているにもかかわらず、じつに快適な乗り心地で、まさに魔法のような体験をする。もし大金を手にすることがあれば、私はこのベントレーを買うだろう。

ダチア・ダスターの車検

さて、現実の世界に戻ろう。スウィンドンにあるダチアの正規販売店へ行った。我が家のダチア・ダスターが、1年点検と2度目の車検を受けている間、私は待合室で待っていた(イギリスでは新車の初車検は登録から3年後。それ以降毎年)。

ダチア・ダスター(第2世代)

ちょうど待合室にいた人に、ダスターが低コストで維持できることと、万能なことを得意気に話していた時に、サービス受付担当者がやって来て、私のダスターが検査で不合格となり、新しいフロントディスクブレーキに交換する必要があると告げられた。

そのコストは450ポンド(約9万4500円)になるという。年明け早々、嬉しくない話だ。

だが、少し考えてみると、2個の鋳鉄製ローターは毎日のように道路の湿った塩と粉塵にまみれており、4年も経過すればひどく劣化するのは仕方のないことだと納得した。車検を終えた帰り道、ダスターのブレーキはじつによく効いていた。

ダスターのフロントディスクブレーキの錆びついたローター。

面白いのは、ダスターの価値が下がるにつれ(1万9000ポンド[約400万円]で手に入れ、現在は約1万1000ポンド[約230万円])、私はますますこのクルマが好きになっている。

現在の総走行距離は約3万mile(約4万8300km)であるが、全天候型タイヤを履いた四輪駆動のディーゼルは、イギリスのコッツウォルズの冬には理想的なクルマなのだ。

サイズは完璧であるし、軽くてクイックな6速MTが備わっている。燃費は約60mpg(約21.2km/L)で、満タンにすればいつでも、600mile(約965km)の快適な長距離ドライブが可能になる。それになんといっても、このクルマの気楽さが私は気に入っている。

所有しているクルマが妥当かどうか、我が家では常に確認しているが、当面ダスターを手放すつもりはない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。

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