ホンダ・ステップワゴン / ステップワゴン・スパーダ

公開 : 2015.04.24 23:40

国産ミニバンのメインマーケットといえる、5ナンバー&3列シート車のカテゴリー。そのマーケットを開拓した第一人者ともいうべきホンダ・ステップワゴンがフル・モデルチェンジを受け、5代目モデルへと進化。4月23日より発売を開始した。

今回の新型ステップワゴンで注目すべきは、ふたつある。まずパワー・ユニットでは、ホンダの新世代パワー・ユニットである1.5ℓ直噴ターボ・ユニットを搭載したこと。2.4ℓエンジン並みのトルク&パワーと、優れた燃費性能を実現するこのユニットは2013年にはその開発の模様は公開されていたが、ついに市販車に搭載されることとなった。その第一弾がステップワゴンという点は興味深い。

そして2点めは、通常の上ヒンジ式を採用した大開口テールゲートに、横開き式のドアを組み合わせた通称「わくわくゲート」を採用したこと。女性でも大きなチカラを必要とせずラゲッジ・ルームにアクセスできたり、後部のゲートから3列目シートからの乗り降りができるなど、高い実用性を実現したモデルとなっている。

エクステリア

両側電動スライド・ドアを持つ3列シート・ミニバンという、ステップワゴンの基本コンセプトは5代目モデルでも変わりはない。スタンダードな標準モデルと、よりスポーティかつアグレッシブなフォルムを持つスパーダというラインナップも従来どおりだ。ボディ・サイズは、標準ボディが全長4690×全幅1695mm。スパーダは全長4735mm×全幅1695mmになる。

いずれも全幅は5ナンバー規格に収まるが、スパーダは全長が4700mmを超えることで3ナンバーとなる。全高は全車が共通で、FFモデルが1840mm。4WDモデルは1855mm。スパーダにはエアロパーツが組み合わされ、バンパーやグリル、アルミホイールなどに専用デザインのものを採用している。

スパーダといえば、フロント・グリル周辺やフロント・バンパーの一部までまわりこんだメッキ・デザインが特徴のひとつだったが、新型ではやや大人しい印象へと変化。ギラギラとした加飾は減ったものの、グリルやバンパーそのものは立体感のあるデザインとされ標準車との違いをアピールしている。

そして背後に回ると、新型ステップワゴンの特徴でもある「わくわくゲート」を見ることができる。テール・ゲートは一般的な上ヒンジで開閉することができるほか、横開きのサブドアが備わる。車幅の右1/3ぐらいを起点とし、リア・ゲートの左2/3を横開きで開閉することが可能。1枚のテール・ゲートながら、2種類の開閉方法を実現したのが「わくわくゲート」というわけだ。

この独特のテール・ゲートのメリットは、狭い場所でテールゲートを開閉するときに生かされる。通常の上ヒンジ式テール・ゲートは開口部が広く、また下から大きく開くために荷物の積み降ろしが容易というメリットがあるが、いっぽうで開放時にはテール・ゲートが後方へ大きくはみ出すなど、狭い場所での開閉には向いていなかった。

そこで「わくわくゲート」であれば、テール・ゲートの左半分だけを開閉することができるため開閉に必要な空間は最小限ですみ、また3列目シートへのアクセスも容易。3列シートの3列目といえば、2列めシートをめいっぱい前方へ移動させてから乗り降りすることが一般的だったが、「わくわくゲート」であれば後方から直接アクセスすることが可能になる。

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