『技術の日産』が日本自動車メーカーの先陣を切る! 次世代AIディファインドビークルの現在地とは【自動車ニュースを読む】
公開 : 2026.06.24 10:00
毎日発信されるプレスリリースの中からピックアップし、ジャーナリスト橋爪一仁が分析するコラムです。今回は日産が注力する次世代『AIディファインドビークル』について、その概要と現在地を嚙み砕いて解説します。
ソフトウェアディファインドビークル=SDVとは?
日産自動車(以下日産)は6月25~26日に幕張メッセで開催される『AWSサミット・ジャパン』にて、SDVソフトウェアのデモンストレーションを行うと発表。それに先立ち、『AIディファインドビークルの実現を加速する次世代ソフトウェア開発基盤』と題したプレゼンテーションをメディア向けに実施した。
AIディファインドビークル(AIDV)を論じるにあたっては、まずソフトウェアディファインドビークル(SDV)について触れる必要がある。

SDVとはソフトウェアによってクルマの機能や性能が決定づけられるという概念であり、主にOTA(オーバー・ジ・エアー)、つまりクルマの通信機能などを用いてソフトウェアをアップデートする仕組みを基本とする。
そのSDVに対してAIDVとは、さらにクルマやプラットフォーム自体がAIによって学習機能を有し学ぶことで、クルマ自体の機能変更や性能向上などを実現する仕組みだ。言わば『学習機能を有したSDV』とも表現できる。
次世代AIDV実現に向けて3つの技術を統合
日産は次世代AIDV実現に向けた開発について、単一ではなく3つの技術(AIドライブ技術、AIパートナー技術、AIソフトウェア開発)を統合することで、クルマの知能化を本質的に進めている。
具体的には、AIドライブ技術が自動運転を、AIパートナー技術が個々に合わせた空間と体験を提供する役割を担い、SDVプラットフォーム上で日産スケーラブルオープンOSによって、機能アップデートや新機能追加を容易にする。
それらは『日産スケーラブルオープンソフトウェアプラットフォーム』と総称され、各種開発のV字プロセス(開発工程の上流~下流~上流)における、特に人による作業部分にAIを活用することで、開発の生産性や品質の向上、コスト低減も目指す。
餅は餅屋としてシナジーを発揮する戦略
日産は、アメリカのカリフォルニア州にある自動運転ソフトウェア会社の『アプライド・インテュイション』と、クラウド最大手の『アマゾン・ウェブ・サービス』(AWS)と連携することで、いわゆる餅は餅屋としてシナジーを発揮する戦略をとる。
既に日産はAI自体が学習して自動運転を実現する『E2E』(エンド・ツー・エンド)、そのAIを開発する英国ロンドンの『ウェイブ』や、ライドシェアやフードデリバリー大手の『ウーバー・テクノロジー』とも連携。日本自動車メーカーの先陣を切って、次世代自動運転の実現に向けて開発を推進する。

自動運転AIは、ニューラルネットワークとディープラーニングで集中的に処理する『E2Eタイプ』と、従来からの認知(予測)、判断、操作のルールベースに沿って各々処理する『モジュールタイプ』に大別される。他にも、双方を組み合わせた『ハイブリッドタイプ』や、自然言語の活用も組み合わせられる『VLA(ビジョン・ラングエッジ・アクション)タイプ』なども存在する。
どのタイプが良いと現段階で断じることはできないが、日産はより高度な自動運転をE2Eタイプで実現するべく各種研究開発を進めている。『AWSサミット・ジャパン』会場ではデモンストレーションを行い、製品では新型『エルグランド』へ2027年度末までにE2Eタイプの次世代プロパイロットを導入する予定だ。




















































