大胆な閃き ルノー・キャプチャーEテック 最優先に走りの質感 付随する低燃費

公開 : 2022.09.27 18:30

ドッグクラッチを活かすひらめき

現代のF1を勝つにはパワーに勝るというだけに留まらない、様々な技術的要因が複雑に絡んでいるのは周知の事実だ。

その中で培われたモーターのギア位置を随時センシングしながらドッグクラッチを介してピンポイントで噛み合わせることにより、シンプルかつ軽量でロスのないギアボックスを作ることがきた。

2つの変速ギアを期待する走りに合わせて制御する、そのパラメーターはそれでも多くの知見や走り込みによる醸成が必要だったことは想像に難くない。

Eテックハイブリッドはレーステックで快適方面の能力には疑問符のあったドッグクラッチを市販車に活かすという大胆なひらめきの一方で、相当泥臭い作業の積み重ねで世に出ることが叶ったメカニズムといえるだろう。

これを称して「電子制御ドッグクラッチマルチモードAT」を採用した最大の狙いは、パワートレインのアウトプットに即応するダイレクトな駆動感を実現するためだ。

言い換えれば走りのスポーティネスこそ、他のハイブリッドとは異なる自らの最大の美点とルノーは考えている。

果たして、キャプチャーのEテックハイブリッドはそういうものに仕上がっているのだろうか。

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記事に関わった人々

  • 執筆

    渡辺敏史

    Toshifumi Watanabe

    1967年生まれ。企画室ネコにて二輪・四輪誌の編集に携わった後、自動車ライターとしてフリーに。車歴の90%以上は中古車で、今までに購入した新車はJA11型スズキ・ジムニー(フルメタルドア)、NHW10型トヨタ・プリウス(人生唯一のミズテン買い)、FD3S型マツダRX-7の3台。現在はそのRX−7と中古の996型ポルシェ911を愛用中。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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