FIAT 500は、なぜ選ばれ続けるの? キュートなのに深いデザイン 紐解きたい、ロングセラーのワケ

公開 : 2022.11.10 09:55

いつも発見がある内装・走り

他のコンパクトカーにも小さくて丸っこいデザインはあるけれど、チンクエチェントは、元々合理的に作られたモデルということもあって、可愛くてもそれがしつこくない。

だから、大人でもサッと着こなせるし、生活に明るい差し色を入れるように、絶妙に日常を彩ってくれる。

その心を躍らせるデザインに惹かれるように、車内にも乗り込んでみた。

見つけた! ディテールへのこだわり

ダッシュボードには、ボディカラーと同じシチリア オレンジのパネルが配されて、アクセントにはホワイトカラーが使われている。ベースグレードなので、メーターやエアコン類のスイッチがアナログだが、あえてこれを選ぶのもいいかもしれないと思った。

通常なら、アナログのスイッチ類を採用しているベースグレードは安っぽく見えがちなのに、それをきちんとデザインして、逆に「レトロ感が素敵だな」と思わせるのも、チンクエチェントならではなのかもしれない。

イタリアンスタイルの鮮やかな色使いと、思わず触れたくなる丸っこい造形。ふたつが織りなすアート空間が車内に広がる。

チンクエチェントの世界観に包まれながらクルマを発進させると、走り出しからつい笑顔になってしまった。

「形」と「走り」の魅力が調和していく

FIAT 500 1.2 CULTに搭載されているのは、1.2Lの小さな4気筒自然吸気エンジンで、最高出力は69ps。

数値上では、パワーが少なく感じるが、実際に運転すると「元気なクルマだな」と感じるから不思議だ。

チンクエチェントは、エンジンを隅々まで使って、弾むように走っていく。

小さいボディだからこそ、どんな道へも入り込んで行けるし、その分どこまでも走りたくなる気持ちにさせられる。

そのデザインでワクワクさせるきっかけを与えてくれて、走り出せば、イメージ通り楽しく走ることができる。

チンクエチェントは、「デザインに留まらず、走りまで個性がギュッと詰まっているモデルだなぁ」と実感する。

(左)FIAT 500C TWINAIR DOLCEVITA (右)FIAT 500 1.2 CULT

ハッチバックモデルにはFIAT 500 1.2 CULTに加えて、2気筒ターボエンジン搭載のFIAT 500 TWINAIR CULT、さらにおしゃれに磨きがかかったFIAT 500 TWINAIR DOLCEVITA(ツインエア・ドルチェヴィータ)というグレードも用意されている。

次にもう1台、カブリオレタイプのFIAT 500C TWINAIR DOLCEVITAを試乗した。

▶️FIAT 500 公式サイトを見る

記事に関わった人々

  • 執筆

    伊藤梓

    Azusa Ito

    クルマ好きが高じて、グラフィックデザイナーからカーグラフィックの編集者へと転身。より幅広くクルマの魅力を伝えるため、2018年に独立してフリーランスに。現在は、自動車ライターのほか、イラストレーターとしても活動中。ラジオパーソナリティを務めた経験を活かし、自動車関連の動画などにも出演している。F1が大好きで、いつか全戦現地観戦するのが夢。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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