マツダ6e タクミプラス(1) 6の後継車と素直に思えるデザイン プレミアムな内装で巧妙に差別化 258psの後輪駆動

公開 : 2026.07.10 18:05

長安汽車ブランドのディーパルSL03がベースの、マツダ6eが欧州へ。6の後継EVに感じられる見た目と、プレミアムな内装で差別化。反面、運転体験はマツダらしくないとUK編集部は評価します。

ベースは長安汽車ブランドのディーパルSL03

古くからのマツダ・ファンは、ガソリンエンジンにMTを組み合わせ、小気味良く運転できるハッチバックやスポーツカー、直6ディーゼルエンジンを積んだ頼もしいSUVを、今後も期待しているだろう。そもそもマツダも、6eへ心から納得しているのだろうか。

環境規制が、そんな望みを断ち切ろうとしている。否応なしに、バッテリーEVの開発は求められている。BMW程の規模があるなら、純エンジン車にハイブリッド車、電気自動車、水素燃料電池車など、多様な技術で法規制へ対応できるかもしれない。

マツダ6e タクミプラス(英国仕様)
マツダ6e タクミプラス(英国仕様)

しかし、今のマツダにそこまでの余力はない。当面の対応策として彼らが頼ったのは、中国のパートナー企業、長安汽車。傘下ブランドのディーパルが擁するSL03をベースに、新たな電動サルーンが生み出された。

EVの後継モデルだと素直に思えるスタイリング

スタイリングは、確かにマツダらしい。滑らかな面構成のボンネットやボディサイドに、均整の取れたシルエット。何も知らなければ、2024年に終売となった先代6の、電動の後継車だと素直に感じるはず。SL03を知っていても、きょうだいには見えないだろう。

シンプルなバンパーや、下にすぼまった外形のフロントグリルも、マツダ的。細身のヘッドライトが、表情を引き締める。テールライトは、RX-7を彷彿とさせる丸目4灯。トランクリッドには、展開式スポイラーが仕込まれている。

マツダ6e タクミプラス(英国仕様)
マツダ6e タクミプラス(英国仕様)

パワートレインは、リアに載る258psの駆動用モーターが1基と、フロアに敷かれる78kWhのバッテリーという組み合わせ。後輪駆動で、航続距離は560kmが主張される。急速充電は最高200kWに対応し、残量10%から80%への回復は最短24分だ。

SL03は大きなサルーンで、6eも全長は4921mmある。フォルクスワーゲンID.7は、更に40mm長いが。価格やスペック的には、テスラモデル3メルセデス・ベンツCLAなどが主なライバルになるだろう。

巧妙に差別化されたプレミアムな内装

フレームレス・ウインドウのスタイリッシュなドアは重厚感があり、その奥に広がる空間は、従来のマツダのイメージと一線を画す。美しく整列した物理ボタンはなく、シンプルな造形のダッシュボード上に、14.6インチと巨大なモニターが据えられている。

新しいCX-5でもタッチモニターは大型化されており、今後のマツダは、この方向性で進むようだ。従来の、クラッシーな雰囲気を懐かしむ人はいるかもしれない。

マツダ6e タクミプラス(英国仕様)
マツダ6e タクミプラス(英国仕様)

一方で、インテリアもSL03と巧妙に差別化されている。試乗車のタクミプラス・グレードの場合、上品なキャメル・レザーとスウェードが贅沢に用いられ、概ねプレミアム。ウインドウ周辺などの合成皮革は、やや質感が追いついていないとしても。

運転姿勢は、ダッシュボードに対しやや高めで、天井が近く感じられる。シートは調整域が広く、座り心地に優れ、運転している内に気にならなくなるけれど。後席は、前後方向にゆとりがあるものの、前席と同様に頭上空間は限られる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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