あと、乗り心地というかオトシンというか、車体後方のカッチリ感がイマイチ足りない。ワサワサしていて、おおげさにいうとヤレた中古車っぽい。あるいは、後席だとちょっとだけ荷物の気分。高速コーナーを高速で走るのがすごい得意そう（というか実際得意）なのはいいけれど、これはちょっと……。

というのはいずれもワゴンの印象。そっちだけしか運転せずにこの記事を書いていたらヤバかった。ワゴンに続いて乗ったハッチバックに関しては、舵感も車体後部のカッチリ感も問題なし。あ、いいクルマ!!　よかった（笑）。パワステに関しては、おそらくハッチバックで設定を決めて、それをそのままワゴンにも使ったのではないかと思われる。でその結果、ホイールベースや重量配分特性の違いが如実に手応えにあらわれてしまったような。こういうところはEPS、難しいというか正直というか。

要するにメガーヌ、ワゴンとハッチバックとでは明らかにハッチバックが基準車ということで、その意味ではごく順当に違いが出ているといえる。ワゴンの仕上げをもっと頑張ってほしかった、というのはもちろんあるけれど。なお後席、シートそのものはワゴンもハッチバックも特に違わない。ホイールベースが長いぶん、当然ながらヒザ前の隙間はワゴンのほうが余裕があるけれど、それだけで快適さ全般がアップするというものでは別にない。

ルノースポールもののアシに関して、乗って感じられる明白なネガは特になかった。そうとは知らずに乗っていたらスルーしていた。ただし、いかにもふらんす車なフンワリ調のアタリの感じを期待して乗ると、「これ、ちょっとカタい……」かもしれない。ルノースポール物件だと思って乗ればナルホド程度。ま、どうということはない。フツーに快適（特にハッチバックのほう）。ルノー車の乗り心地の感じは走行距離1万kmあたりで新車時とはハッキリ変わるらしいので、それを楽しみに乗っていたらいいでしょう。OE装着タイヤは、ブラインドで当てにいって「コンチかダンロップか……。ダンロップでファイナルアンサー!!」と思ったらスポーツコンタクト5だった。

(文・森 慶太　写真・花村英典)

ルノー・メガーヌGTライン・ハッチバック

価格	275.9万円
0-100km/h	9.5秒
最高速度	200km/h
公称燃費（JC08）	17.9km/ℓ
CO₂排出量	129g/km
車両重量	1310kg
エンジン形式	直4DOHCターボ, 1197cc
エンジン配置	フロント横置き
駆動方式	前輪駆動
最高出力	132ps/5500rpm
最大最大トルク	20.9kg-m/2000rpm
馬力荷重比	101ps/t
比出力	110ps/ℓ
圧縮比	10.1:1
変速機	6段DCT（EDC）
全長	4325mm
全幅	1810mm
全高	1460mm
ホイールベース	2640mm
燃料タンク容量	60ℓ
荷室容量	372-1162ℓ
サスペンション（前）	マクファーソン・ストラット
サスペンション（後）	トレーリングアーム
ブレーキ（前）	φ280mmVディスク
ブレーキ（後）	φ260mmディスク
タイヤ	205/50R17